18番、525ヤードのパー５。第2打で選んだクラブは、なんと8番アイアンだった。
　この日は、フォローの風が吹いたとはいえ、残り距離は179ヤード。今週、ドライビングディスタンスでもトップを走りつづけるビッグドライブをみせつけて、デュバルは、こうサラリと言ってのけた。
　「でも実は、9番アイアンで打とうかとも思ったんだよね（ニヤリ）」
　ピンまで6メートルのイーグルチャンスにつけて、楽々バーディ。2位と3打差の通算13アンダーフィニッシュだ。

　もっとも、首位の座はキープしたものの、この日はトラブルの連続だった。
　ボールの位置が前すぎたことから、肩が開いてスィングの軌道がアウトサイドインに。引っ掛け球に苦しんだ。
　2番で、「ティショットを大ミス」して左林。7番でOB。14番にいたっては、「前も後ろも右も左も木に囲まれたボックス状態」の第2打。リカバリーショットでクラブを木にぶつけ、使用した7番アイアンを折るハプニング。このホール、ダボとしたが、「怪我をしなくて、本当に良かった」と胸を撫で下ろす。

　数々のピンチも乗り越え、「今日はうまくスコアメイクができました」と静かに微笑んだデュバル。「内容には満足していないが、ゴルフは結果がすべてだから」
　飛距離だけでなく、ミスを克服する姿にも、世界ランク3位の実力が光った。