まだ、高校2年生のタイ・トライオンは、「今、ちょうど期末試験の時期なんです。帰ったら、すぐテスト。だから今週も、ホテルに帰ったら勉強しなくちゃ」と茶目っ気たっぷりに笑って、肩をすくめてみせた。
　180センチ、73キロの華奢な体つき。一見、ごく普通の少年が、コースに出ると一変する。
　300ヤードを超えるロングドライブ。
　落とし所の狭い今週の難コースも、「自分がいつもプレーしているアメリカのコースみたいで、チャレンジし甲斐があります」と、ひるまない。
　今年３月の米ツアー『ホンダクラシック』を、マンデートーナメントから挑戦。
　参加200人中3人しか通過できない超難関を突破して出場権を手に入れると、PGA史上2番目の記録となる16歳9ヶ月の若さであっさりと、予選通過を果たして話題を独占した。
　「みんなから注目されることについて？　…非常にありがたいことです。僕は、どちらかというと、たくさんの人の前でプレーするほうが集中できるから。
　今週は、いつもと違った国の違ったコースで、違う文化に触れ、楽しみながら経験を積みたい。…あとは、…そうですね。自分がツアープレーヤーに混じって、どこまでやれるのか。明日から、日本の選手たちとの挑戦です」
　どんな質問にもまっすぐに、相手の目を見て答える表情が、印象的。話題のスーパージュニアの全貌が、いま、明らかになる。