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日本プロゴルフ選手権大会 2000

「開催コースのカレドニアン・ゴルフクラブについて」大会運営委員・高須皓友さん

「コース設計家・マイケル・ポートマンさんは、ここ、カレドニアン・ゴルフクラブを作られるとき、スコットランドで300年の歴史を持つロイヤル・トルーンゴルフクラブのモットー『TAM ARTE QUAM MARTE(タムアルテ、カムアルテ)』の精神にのっとって、コースを手がけられました。

 これはラテン語のことわざで、直訳すれば「力とともに、技=頭脳も」ということになります。

 つまり、ただ、「飛ばせば」いいという長打偏重ではなく、14本のクラブをいかにうまく使い分けて、コース攻略ができるか。それが試される設計になっているということです。カレドニアンは、力と、頭脳=技のバランスがもっともうまくとれた選手にとって有利なコースです。それこそ、日本プロゴルフ選手権という大舞台に、ふさわしいといえるのではないでしょうか。我々コース側では、3年前からこの大会に照準を合わせ、メンテナンスをしてまいりました。特にグリーン。ペンクロスベントという芝の種類で、元々ベント芝は葉が太く、スピードの出やすい種類の芝なのですが、それ以上のスピードを出すために、その中に葉が細く、しかも葉の立つ『グランプリ』という第3世代の芝の種を春秋(1年目)、春秋(2年目)、春(今年)とインターシードして、我々の目標とするグリーンの速さに仕上げてまいりました。

非常に成長が旺盛なので、毎日毎日、刈りこみをして、また水分を刷り込むなど、大変な苦労はしましたが、これまで開催された日本プロの中で1番、タフに設定されたのではないかと思います。
もっとも、カレドニアンは、コースそのものに非常に激しい起伏があるコースです。グリーンを極端に早くしますと、ゴルフ競技、というものからまたかけ離れてしまうことになります。コースの形状にあわせた、グリーンの速さというものも、心がけてまいりました。

通常の営業のことを考えますと、ラフを伸ばしたり、フェアウェーの幅を狭めたり、ということは、大変なリスクを負うことにもなりますが、我々は、この日のために、採算は度外視して、努力を重ねてまいりました。研ぎ澄まされたカレドニアンの舞台で、選手たちのスーパーショットを、ぜひご堪能いただきたいと思っています。

大会運営委員・高須皓友さん(カレドニアン・ゴルフクラブ専務取締役=写真中央)