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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2000

「僕はプレッシャーには、強いですよ」

首位に立った片山晋呉

 「今日は、たまたま…なんかたまたま首位にいっただけなんです。3日間、こういう位置でよくやっていると思います。回りから、逆転(賞金王)とか騒がれながら、プレッシャーの中でなかなか集中できないながらも、すごく集中してできています。
 今年はこれまで、3つ勝ったわけですけれども、それでも、技術的に直すべきところはたくさんあります。
 模索しながらのラウンドなのですが、それがうまくいっているようです。たとえば夏まではフェードでゴルフを組みたてていたのを、技術の幅を広げるために、ドローを取り入れたりしたんですが、その辺の打ち方がうまくいっていたりね。試合の中じゃないと、なかなか、使えない部分もありますからね。でも、こうして結果がでると、今年やってきたことは間違いじゃなかったと思えますよね。
 ドローを打とうと思ったのは、今年の全英オープンでタイガー・ウッズを見たときなんです。でも、そのあと、やっぱり失敗して…。夏場、ガターンと調子が下がった時期があったでしょう? あのとき「あ〜やっぱり自分がやると、こうなるんだな〜。やっぱりもうドローは止めよう」と思ったんだけど、11月のフェニックスでまたちょっとやってみよう、と思ったら、良い球が打てたんですよ。今日、会心のドローボールですか? 17番のセカンドですかね。ドローで打たなくちゃピンに届かないというホールなんですが、今日はちょっと届かせてみよう、と思ったんですね。実際はショートしてますけど、あれは完璧な球でしたよ。



 ボギーは今日は1個だけですけど、昨日まではちょっと多かった。それだけ、自分の気持ちが揚がっていた、ということなんでしょうね。
 本人は変わってないと思っていてもね、気持ちが慌てていたりね。
 でも今日は、10番で3メートルのパーパット。11番は5メートルのパーパットを決めている。これは、うまく自分の時間を使えるようになったということなんですね。前は右行ったり、左に落したりとかすると、回りに迷惑をかけちゃうな、という気持ちがあったけど、今日は、ゆっくり時間をかけられた。それでも、遅いプレーに見えないんで、周囲の人には『なんだ、これ入りそうな雰囲気だな』というのを醸し出しながら、ゆっくりと打っている…。一緒に回っている人は嫌だと思いますよ。

 明日は苦しいでしょうね。これまでで1番、苦しんじゃないですか。一緒に回る人はやっつけたい、と思うだろうし、僕は僕で勝ちたい、という気持ちがありますからね。見ているほうには面白い展開になるとは思いますが…。いつでも、心臓が飛びでそうではあるんですが、僕は、プレッシャーには強いですよ」

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