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日本オープンゴルフ選手権競技 2000

ボランティア参加は述べ1270人

地元住民の方々の熱気が、大会を盛り上げる

 9番ティグラウンド上で、“お静かに札”を担当していたボランティアの方が、コース内で迷子になった人にすすんで声をかけ、笑顔で道案内をしていた。
 それだけでなく、ついでに、次にこのホールにやってくるのはどの選手の組かを教えたり、親切な対応が印象的だった。
 この大会で「初めてトーナメントのボランティアを体験する」という、地元・勝田台在住の鈴木実さん(=写真)。

 鈴木さんは今年、還暦を迎え、8月に“現役”を退いたばかり。その矢先、友人からボランティア参加を勧められ、「自分もゴルフをするし、何か勉強になるかも」と応募を決めた。

 9番ティグラウンドに陣取った鈴木さんは、選手がショットに入る寸前、素早く“プレー中です、“お静かに”と書かれた札を高々と掲げ、観客の動きを制止。ショット後はその札で、ボールの飛んだ方向を指して、セカンド地点のフォアキャディにも知らせる。きびきびとした動きが、気持ち良い。

 それでも、最初のうちは「どきどきして、どこに立っていればいいかも分からなかった」というが、次第に慣れはじめると、選手のショットを観察する余裕も出てきた。
 「参考になるかな、と思ったけど、選手のショットは僕とレベルが違いすぎちゃってねえ…。でも、プレーマナーなどは、皆さん、やはりさすがです。見習うべきところがたくさんありますね」

 木・金の予選2日間、『観客誘導係(ギャラリー整理)』を務め、最終日は「のんびりと観戦に来て、選手の応援をするつもり」と鈴木さん。
 「地元住民として、いろんな形で盛り立てていければ」と話した。

 今大会のボランティア参加延べ数は1250人。コース地元の勝田台、八千代台など、周辺住民の方が中心だ。
 主催の日本ゴルフ協会、大森孝・選任理事は「ここ鷹の台は、住宅地の真中に位置し、開催にあたって、交通や騒音の問題について、住民の方々に大変なご理解をいただいております。また、ボランティアの参加も多く、今回の65回大会では、地域密着型のトーナメントの見本が示せると思う」と話している。