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ダンロップフェニックス 1999

デンマークのトーマス・ビヨンが、セルヒオ・ガルシアとのプレーオフを制してダンロップフェニックス26代目目のチャンピオンに輝いた

勝者・ビヨンの優勝インタビュー
「15番ホールを迎え、残り4ホールで3打差(通算11アンダー、首位のガルシアは14 アンダー)あったとき、キャディにどうやって2位になるかを考えている、と話した。キャディは、ひとつのバーディ、またひとつのボギーで大きく変わるよ、と言ってくれた

11番でバーディを取ったあと、セルヒオは、特に何もしないで(バーディチャンスを奪えず)丸山とボクに、門戸を開いてくれた。セルジオは、ピン近くにショットを打てていなかったんだね。

残りの4ホールで、3バーディを奪う(15番、17番、18番)ことは、とても大変だったんだよ。セルヒオは、そのまま行けば勝てると思ってたようだけど、最後までバーディを取って攻めていかなければ、ゴルフは何が起きるかわからない、とうことが改めて証明されたよ。

プレーオフの4ホール目、最終18番は、本戦の18番でティショットをドライバーで打って、右のラフに行っていたこともあり、力が入って今度は左に行ってしまったよ。松の木の根元に落ちたことは不運だったけどね(ここで見事なリカバリーを見せ、ピン50センチにつけてバーディを奪い勝負を決めた)。

セルヒオはグレートなプレーヤーだから、簡単には勝てないと思っていたけど、プレーオフホールは、“プレーオフ”と思わずに、通常のラウンドが続いていると思いながらプレーしたので、緊張はしなかったよ。

セルヒオは多分、きょうは非常に悔しかったろうが、負けたことによって勉強しただろう。その経験の繰り返しで、今後、もっともっと勝ち星をあげていくと思う。ゴルフは、最終日のバックナインが、本当の勝負なんだと、改めて肝に銘じたよ。実は、この日、3人のなかで1番素晴らしいプレーをしたのは丸山だ。しかし、金曜日に集中力を欠いたプレーをしてしまったことが彼にとっては痛かった。きょうは3打差で後ろから追い上げようと必死で頑張って、最後の2ホールでその疲れが出たのかもしれない。

でもボクにはバックナインで本当の勝負がはじまったときに、充分なエネルギーがまだ残っていた。きょうの勝利は、その差だけだったかもしれないとも思う。

今週は、本当に、ショットの調子がよかったので、自信に溢れていた。一度もナーバスにならずに済んだ。今週、木曜日の朝、大親友のダレン・クラークがくれた『ショットのときの左への体重移動が速すぎるのではないか。そのせいでインパクトのときのフェースのアングルが良くないみたいだ』というアドバイスがなかったら、きょうの優勝はなかったと思う。彼のアドバイスが生きたよ。

欧州ツアーのサラゼンワールドでニッポンの友利選手に勝ったけど、彼はいずれ欧州ツアーで優勝すると思う。丸山も来年は、米ツアーに参戦するらしいけど、活躍できると思うよ。すでに米ツアーの常連のジョー(尾崎直道)も活躍しているしね。今回、来日して日本にも素晴らしい選手がたくさんいることがわかった。ここに出場している選手はみんな強い。レベルの高さにびっくりしたよ。

みんな優勝する力を持っている。ただ、ひとつアドバイスするとするなら、日本の若い選手ももっと海外に出て腕を磨いてください、ということ。

自分の国のフィールドで戦いつづけることは、非常にイージー(楽)なこと。でもそれでは、ゴルフのレベルは上がっていかないんだ。もっともっと、日本の選手も外に出て、世界的なプレーヤーになってほしいな、と僕は思っている。

今週は、本当に楽しく過ごすことができた。今回の優勝は、ボクにとって非常に大きな意味を持つものだ。なぜなら、このフェニックスのフィールドが、世界にも通用する非常にハイレベルなコンディションで、しかも世界中の一流選手が揃って参加しているから。

また来年、ここに戻ってこれることを、心から楽しみにしているよ」

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