今大会の舞台、「静岡カントリー浜岡コース」の名物は、遠州灘の海岸線から吹き上げてくる浜風と、コースをセパレートしている松林。このふたつがあいまって、コースの戦略性をよりいっそう高めてます。勝負の要は、いかにこれら自然とうまくおつきあいをするか。
　たとえば浜風は、ショットだけでなく、パッテイングにも影響することがあるほど。もろに地面を低く吹きつけてくる容赦のない強風は、しばし、グリーン上の球をも動かしてしまいます。日によっては、この風のせいで、人知では計り知れない超高速グリーンとの闘いを余儀なくされることもあり、選手は、そのあたりも充分考慮に入れて、戦略をたてなければならないでしょう。
　人間が手を加えたコンディション以上に、自然の脅威が随所にあららわれるところに、戦局の読めない面白さが生まれます。
　浜風と、仲良くお友達になるのもよし。真っ向からケンカして挑むもよし。いずれにせよ、この大会は、自然現象と持っている技術とをうまくマッチングさせることができた選手に、大いに分があるといえます。
　キーホールは、１６番ロング、１７番ショート、１８番ミドルの３ホール。１６番は、バーディ、うまくいけばイーグル狙いのチャンスホール。ここでしっかり取れなければ、続く２ホールはピンチホールです。過去のデータからいっても、この２ホールはパーブレイク率がかなり低いんです。特に１８番の第２打地点は、左足さがりのライで、２オンにてこずる選手が多いはず。ですから、勝負がこのホールまで縺れ込むと、かなりつらい。１６番までにきっちりとスコアを完成させて、逃げ切り、というパターンを作られれば、余裕でＶをゲットできることでしょう。