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フォーティネット プレーヤーズ カップ 2026

17番のパーセーブで発注が決まった。藤本佳則とお誕生日ケーキ

藤本佳則(ふじもと・よしのり)が、37歳の誕生日に、自身初の年間2勝目、通算4勝目を完全優勝で達成した。




13年ぶりの復活優勝を飾った5月の「関西オープン」では藤本のキャディをつとめ、今週は自身も選手として出場しながら予選敗退していた大学後輩の皆本祐介(みなもと・ゆうすけ)は、土日も残って敬愛する先輩の雄姿を観戦。

スタートの1番から4連続バーディで飛び出し、8番で6メートルを沈めて3打差つけると、風力が増した10番からすべてパーで収めた藤本のバックナインを見守っていた皆本は、藤本自身もあとで勝利のキーホールに挙げた池がらみの17番パー3で、3アイアンのティショットがグリーン右サイドにかじりつき、2パットのパーセーブを見届けたその瞬間、プレーの妨げにならない場所でスマホを取り出しケーキ屋さんに電話。

「プレート作製、お願いします!」。

コース近隣のお店で、14時までに注文していただければ名前とメッセージ入りの誕生ケーキをご用意できます、との快諾を得ていた。
この時点で3打差ついていれば、もう間違いない。間に合った…!


プレー後、急いでケーキを引き取りに行っている間、藤本は皆本が帰ってしまったかと気にしていたそうだが、むしろそれが、サプライズ感を高めて藤本の喜びは倍に。



4人タイの首位発進した初日は照れもあってか「誕生日が嬉しい歳でもないし」とそっけなかったが、バースデーソングの中、皆本が運んできたケーキのロウソクを吹き消した藤本の満面笑顔は、大阪の通天閣にいる幸福の神様、ビリケンさんそのもの。

「今の気持ちはもう凄いハッピーです」。
皆本にもてらいのない感謝を述べた。

5か月前に復活Vを飾るまで、13年も要した選手とは思えないほど圧巻の完全Vだった。
前日3日目までは、右に出るショットの制御に苦しみ、眉間にしわが寄りがちだったが、最終日は違った。

「これやったらハマるんちゃうかな」と3ラウンドプレー後の練習場で思い付いたのは、ダウンスイング時の軌道をシャフト1本から1本半ほどインサイド側に振り下ろしてくる打ち方。

「選手からするとけっこう大きな変更。半分は賭けでしたけど、いい勝負ができるんちゃうかな」と、いう冒険が奏功し、4打差の圧勝につなげた。


13年ぶりの通算3勝目から、今度はわずか5か月で引き寄せた自身初の年間2勝に、改めて勝てなかった日々を思う。
「感慨深いですよね。3勝目するのに12年かかったのに、すぐ5か月で優勝するのって。なんなんでしょうね」。

学生時から後輩の松山英樹も畏怖する存在だった。デビューしてすぐ2勝を挙げたエリート選手がコロナ禍の20ー21シーズンに、ついに1円も稼げないままシード陥落し、昨季までACNツアーで戦った4年間。

「受け入れられない自分がいた」という。

「でも、ACNツアーの選手はみんな上手かったし、自分はそこでも勝てなかったし、(レギュラーツアーで)あかんくなったから、ここにいる選手だというのを認めなければ先に進めない。自分は認めるまで数年かかった。ACNツアーは、一人で全部やるので。今は自分のプラスにできている」。

皆本ら、後輩選手の実力を認めて共に鍛錬したり、10月、日本開催のPGAツアー「Baycurrent Classic Presented by LEXUS」では自ら後輩の松山に面会したりは、陥落以前の藤本には見られなかった姿だ。
「僕らはたまたま出れたようなもんなんで。彼は世界で生きている人間ですから。 向こうの選手と一緒に回って、この中でずっと頑張っている英樹はすごいな、と思いましたね」と、改めて偉大な後輩を仰ぎ見ていた。

表彰式典で、大会会長の阿久津未来也(あくつ・みきや)から、来年大会の大会実行委員長の打診を受けて、「うんうんうん…」と、満面笑みで頷いた。
自身初の年間2勝で、ポイントランクも2位浮上。
ドン底に落ちたからこそ強くも、優しくもなってビリケンさんは帰ってきた。


※タイトルと一部内容を修正しました。