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エリートグリップチャレンジ 2025

いよいよ大会最終日。設計家が用意した最終3ホールのドラマティックな演出とは?

ゴールデンバレーゴルフ倶楽部を手掛けたRT・ジョーンズJr氏の右腕が試合を観戦した。

ブルース・チャールトン(Bruce Charlton)氏はジョーンズ事務所の下で44年間設計に携わっている言わばジョーンズJr氏が最も信頼する人物。先週、同じくR・T・ジョーンズJr氏が設計を手掛けたチェリーヒルズゴルフクラブで日本女子オープンゴルフ選手権を視察し、その足でゴールデンバレーゴルフ倶楽部に入った。コースを訪れるのは2019年以来6年ぶりのこと。選手らのプレーを見ながら18ホールを視察したチャールトン氏の目に久々のゴールデンバレーゴルフ倶楽部はどのように映ったのだろうか。


 

「先週のチェリーヒルズゴルフクラブと同様にコンディションは非常にいいですね。フェアウェイやグリーンに関しては今週の方が明らかに硬くて、かつグリーンではボールは跳ねるんだけれどスピンがしっかりかかる。選手の技術を引き出すために良い状態だと思います。ゴールデンバレーゴルフ倶楽部は谷間に造られているコースでこれは世界中を見ても珍しいことです。それによって自然の地形に溶け込むように各ホールがレイアウトされていて、自然と一体化している美しいコース。まるで昔からその地形の中にコースがあったのではないかと感じるほどです。どこにも類を見ないゴルフコースです」。

 

先週のチェリーヒルズゴルフクラブでの日本女子オープンゴルフ選手権も最終ホールが池絡みのパー5で、その前の17番がパー3。最後までハラハラする展開を演出していたが、ゴールデンバレーゴルフ倶楽部も同じように17番パー3、18番パー5が最後に待ち受けている。これはジョーンズJr氏のこだわりなのだろうか。

「そこに関してはたまたまですが、設計をする際に心がけているのは残り4ホールで必ずパー4を一つ、パー3を一つ、パー5を一つ入れることです。最後にパー5を置くということは1ストローク多く打つということで、それだけ色々なドラマが作られる可能性が高まるということです。バーディホールでもあるし、ダブルボギーホールでもある。楽しいことですよね」

 

昨日のセカンドラウンドは強い風が吹きコースの難度はかなり高くなり選手らも苦しんだ。「ゴールデンバレーゴルフ倶楽部=難しい」という印象が強く、ビギナーや女性は敬遠する傾向も無きにしも非ずだが、チャールトン氏は見た目には難しく見えるかもしれないが、コースには必ずそれぞれのレベルに合わせた攻め方が準備されていると言う。

「ジョーンズ氏の理念としてあるのが1つのコースの中に2つのコースを作ること。それは一つはアマチュアゴルファーや女性が安全に攻めながらグリーンに到達するルートと、もう一つはプロや上級者に攻める際の角度を考えさせるルートを準備しています。難しく見えるかもしれませんが、きちんと考えれば安全なルートがあり、どのレベルの人も楽しむことができるはずです」。

 

最終日、ジョーンズJr氏が仕掛けた巧妙な攻略ルートを見つけ出し誰が頂点に立つのか。注目したい。