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関西オープンゴルフ選手権競技 2025

「勝ちたい」木下稜介が2日目の「62」にこめた思い

2日目の「62」に思いがこもった。
地元関西が誇る最長のオープン競技で、木下稜介(きのした・りょうすけ)が勝ちに来た。




この日は、序盤から神がかった。
スタートの10番で2メートルを沈めると、11番のパー4では「まさか、入ると思わなかった」という130ヤードの2打目がバックスピンでイーグルになった。

15番から3連続バーディで駆け上がると、後半4番から、今度は4連続バーディ。
コース新と、自己ベストの更新がかかった最後9番は、「あんまり警戒していなかった左OBが出た」と、ボギーのフィニッシュになった。
「後半ちょっとショットが乱れて、右プッシュが3回くらいあった中で、それを捕まえようとした」と、最終ホールの油断を悔やむが4オン1パットの2メートルは沈めた。
「ダボにはしたくなかったので。明日につながる」とうつむかず、2位と1差の通算13アンダーで単独トップに急浮上した。

今年から、飛距離アップを求めてドラコンプロの山崎泰宏氏に師事している。
まず、インスタのDMでやりとりを始めて、氏の理論に納得。都内で初対面し、シーズン開幕後は会場にも来てもらうなど、習い始めて3か月。
最初は、今までの自分と真逆の動かし方に戸惑いもあったそうだが「最近は自信をもって振り切れています」と、5ヤードアップに成功。

「以前は手で合わせながらプレーしていた部分があったのですが、最近はあまり合わせることもなく、自信をもって振り切れています」と、安定感も増した。
「教わりだして一番よくなったのが、実はアプローチ。ドラコンの選手に教わりながら、アプローチが良くなるとは思ってなかった」と思わぬ恩恵もあり、この日はOKバーディが3つも。
50センチにくっつけた6番、16番と、7番のバーディパットは30センチもなかった。

奈良県出身で、大阪学院大学時代は2度挑戦。転向後も8回出て、2022年の5位が最高。
オープン競技としては最長の90回大会を誇る今大会は、「地元だし、歴史もあるし、いつかは勝ちたい試合」と思い入れが強いが、実は今年は出場も危うかった。

2週前に、義理のお父さんを亡くして先週のアジアンツアーはきゅうきょ欠場。
今週も試合どころでなかったが、「お父さんのために出て、と妻に背中を押してもらってなんとか戦える。勝ちたい」。
思いがあふれ出た。