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ディライトワークス JGTO ファイナル 2023

伊藤有志が4打差逆転でプロ初優勝!推薦出場から来季の優先出場資格ゲット

茨城県の取手国際ゴルフ倶楽部・東コースを舞台に行われた今季のABEMAツアー最終戦『ディライトワークスJGTOファイナル』は劇的な幕切れとなった。

 

プレーオフを覚悟していた瞬間、突然優勝が舞い込んだ。

首位と4打差の10アンダー4位からスタートした伊藤有志は、4アンダー66でラウンド。最終組の1つ前の組でラウンドし、通算14アンダーでホールアウトした。最終組の生源寺龍憲が18番ホールをパーで上がればプレーオフ、バーディなら惜敗という状況だったが、生源寺がまさかの3パットのボギー。この瞬間、伊藤のプロ初優勝が決定した。

 

「めちゃくちゃ嬉しいです。今日はラッキーもありましたが、14アンダーまで伸ばせたのは自分が頑張った結果だと思っていますし、ちょっと最後は棚ぼたという感じもありましたけど、本当に優勝できたことは嬉しいです」。

 

最終日は4打差を追いかける立場で、しかも上には今季ABEMAツアーの賞金王を決めている生源寺がいる状況。優勝するつもりでいかなければ2位も3位も無いという強い気持ちでスタートティに立った。

ただ、『優勝』という2文字を常に意識しながらも、ここ数年はどこか自分には縁遠いような存在にも感じていた。

伊藤は東北福祉大出身の28歳。2016年にプロ転向し、2017年から本格的にツアーに参戦。東北アマを制すなど学生時代から注目されていた。ただ、ここ3年はQTで失敗し、推薦などが中心でまともに試合に出られないシーズンが続いていた。

「プロになって、優勝はできるかなとは思っていたんですけど、試合に出るにつれて優勝のイメージが自分の中であまりできなくなっていて。ボードの一番上に自分の名前が載っているイメージがつかない、そんな感じでした」。

 

年間を通して試合に出られない状況だと、どうしても「チャレンジャー」という意識で試合にのぞんでしまう。優勝するには、挑戦する気持ちでは何かが違う感じがしたと伊藤。推薦で出た試合で仮に好成績を残せたとしても、何か物足りなさを感じていた。何かを変える必要が伊藤にはあった。

大きな転機になったのが女子プロゴルファーの大西葵と結婚だ。2021年に結婚し、この日会場に来ていた息子の叶(きょう)くんは2歳2ヶ月になる。

「(結婚して)彼女のゴルフに対する姿勢ややり方を目の当たりにして、本当に刺激になりました。それまでの自分がどれだけ甘かったのかと感じましたし、もっとやるべきことがあると思えたのは本当に大きなことだったと思っています」。

 

奥様は今週女子のステップアップツアーに参戦中だが、最高の結果報告ができると嬉しそうに話す姿が印象的だった。

30歳という節目の年齢を前に、大きな1勝を手に入れた伊藤。推薦出場からの優勝という大きなチャンスをものにしたことを、さらなるステップアップのきっかけにしたいところだ。