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中日クラウンズ 2023

祖父はプロ、父は日大出身。3代ゴルフ一家の金田直之「名誉な大会に出させていただくだけでも」謙虚に首位発進

祖父と父の夢を背負って初和合で好発進した。

今季初メンバー入りの金田直之(かねだ・なおゆき)が、難攻不落の和合で「65」。

早朝アウトのトップ組でスタートし、初日トップタイの好成績をおさめた。



「グリーンを外したのは最後だけだった」と、手前のバンカーに入れた18番ではパーセーブに失敗。この日唯一のボギーに「詰めの甘さが出ましたね」と反省したが、5メートルも残した前半3番では、ナイスパーセーブ。


「朝イチは、さすがに緊張した」という1番ホールの第1打も、「チャレンジャーの気持ち。突っ込んでやる」と果敢に、奥から1メートルを沈めてバーディ発進。


7番から3連続バーディを重ねるなど上昇すると、ギャラリーや追いかける報道陣の数が急に増えたが、昨季まで主戦場のABEMAツアーは全試合生中継だ。

「去年まではカメラがいるようなところで回ると自滅しちゃうところがあったので。いま取り組むことに意識を集中したら、自然と回りが見えなくなってきた」と、プレッシャーがかかる場面でも経験を生かして踏みとどまれた。


千葉県柏市出身。
小学時代は、地元J1の「柏レイソル」に憧れるサッカー少年だったが、5年時にたまたま人数あわせに誘われたゴルフ大会で団体3位に。

「個人競技は自分次第でどうにもなるのがいい」と、ゴルフに転身。

拓大紅陵高校時に「関東高校選手権」で優勝するなどし、中央学院大学4年の2017年にプロ転向。


3代続くゴルフ一家だ。


77歳になる祖父の伊能一郎氏はツアー未勝利だが1980年代から1997年までツアーでも活躍したプロゴルファーで、本大会にも出場経験があるという。

今年3月1日、2日に富士カントリー可児クラブ(岐阜県)で行われた大会予選会「中日・CBCチャレンジ[To THE CROWNS]」で金田が逆転優勝し、初出場権を獲得した際にはとても喜んでくれたそうだ。


父親の金田二郎さんは、日本大学ゴルフ部出身。
同期に川岸良兼(かわぎし・りょうけん)がいて、「絶対に勝てない」と、プロ入りは断念したそうだが、卒業後はキャディやマネージャーとして川岸の通算6勝をサポートするなど、プロツアーの世界に精通する。


金田も最初のきっかけは、祖父や父だったが「身内に教わると、ケンカ腰から入る」との経験則から、今はレッスンプロの植村啓太さんに師事。

今季開幕前に、掲げた目標はシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場。資格が発生する賞金トップ20位前後の各種データと自身のとを比較分析し「ティショットの精度とパットの数値が足りない」と、弱点克服に注力してきた。


名前の読みが同じで、すでにツアー1勝の片岡尚之(かたおか・なおゆき)とどことなく似ており、会場では実際に間違われたこともあるそうだ。


かねだなおゆき

かたおかなおゆき


片岡のほうが2歳下だが「自分もついていけるように頑張りたい」と、年下を仰ぎ、「こういう名誉な大会に出させていただけて、雰囲気を味わうだけでも絶対にいい経験。いろんな選手と回って勉強させていただきたい」と、謙虚に挑む。