Tournament article

ファイナルQTトム・ワトソンゴルフコース 2022

秋吉&中西 再起をかけてのぞむファイナルQTへそれぞれの思い

賞金シードから陥落し2016年ぶりのファイナルQT参戦となる秋吉翔太。

2020年のコロナ禍に行ったスイング改造がうまくいかず、それを今年も引きずる形になり思うようなゴルフができないままシーズンを終える形となってしまった。

「タイミング的に今かなと思って飛距離を求めちゃったんですよね。周りからも反対されたんですが、元々低いフェードが持ち球だったのをハイドローに変えようとして。結局、戻そうとしたんですが、半年それをやり続けていたので、なかなか感覚的なものも戻らない状態でした。それから次は球が左に行くようになってしまい、元々得意だったティショットが暴れ出して、自分の感覚も消えてしまうような感じでした」。

今季は21試合に出場して予選通過がわずか5試合。ゴルフをするのが逆に苦しくなる状態だったに違いないが、今週は気持ちを切り替えて再びツアーに戻るための戦いに挑む。徐々に戻りつつあるショットの感覚もまだ自信を持って打てているわけではない。そこで今週秋吉が講じる作戦はドライバーを抜くことだ。言葉通りバッグに入れることさえしていない。覚悟を決めた秋吉の今年最後の戦いぶりに注目したい。

 

また、秋吉と同じく賞金シードを守ることができなかった中西直人。終盤戦では優勝争いを演じる一幕はあったものの、結果的にシードを手放すことになった。

ただ、中西的には気持ちの整理はついているようだ。

「この場所が帰ってきたくなかったかと言われると全然そうは思っていないんです。1年間自分なりに練習して、準備をして一生懸命やってきて、その結果が今なので。これが今の自分の実力だというのがシンプルな気持ちです。また挑戦できるチャンスをもらえているわけですから本当に楽しみです」。

常に明るく、前向きな姿勢でプレーする中西だが、今季はスイングでの試行錯誤が続いた。自分ではやっているつもりのことができなかったり、やらなければいけないことを受け入れられなかったり、様々な葛藤の中で本来のスイングが見えなくなっていった。それでも試合は続くわけで、なかなか本当の意味での修正に着手できずにいたが、終盤戦になってようやく光明が差し始めた。ただ、よくなり始めた今だからこそ警戒すべきは「欲」だと言う。もっと飛ばしたい、入れたい、そんな欲が必ずゴルフには付き纏うが、それらをいかにコントロールするかが、自分のゴルフを見失わないために必要なこと。「欲」をどう制するのか、中西の戦いが始まる。