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PGM Challenge 2022

バラバラだった歯車が噛み合い始めた梅山知宏が4位タイ

今週の梅山知宏は、自分の中でやるべき2つのテーマを掲げていた。一つはドライバーで回り切ることだ。

決めたことをやり切ることは、今までもやってきたつもりだったが、それはただやっているだけだったと振り返る。今回のドライバーを使い切るというテーマの裏には中島啓太の存在があった。

「去年のパナソニックオープンで優勝した中島啓太がパー3以外のホールを全てドライバーを握ることを課題にしていたことに関して、どういうことを目的にそうしたのかを聞きたくて、インスタグラムでダイレクトメッセージを送ったんです。そうしたら返信してくれて、色々と意見を聞かせてもらいました」。


中島とは交流があったというわけではなく、会場で挨拶をする程度。とにかく今の自分に必要な何かがそこにあると直感が働いた。

元々ショット力の高さには定評がある梅山だが、形や数字に捉われすぎて、感覚的な部分が欠如し、持ち前のフィーリングをショットに反映させることができていなかった。もちろん試合で勝つには技術力は必要だが、それ以上にどのように自分がゴルフと向き合っているかを考えるようになった。ドライバーを単に握り続けるのはなく、ドライバーを握った上でどう攻めるかを考える。もちろん狭いホールなどでは恐怖感が伴うと梅山は言うが、その気持ちから逃げることなく、どう攻めるかを考える。それを中島の考えから自分なりに落とし込んだ結果、今週のような結果が生まれた。

 

もう一つのテーマがパッティング。今週は十数年ぶりに順手の握り方に戻して試合に挑んだ。これに関しても、形にこだわりすぎず、今の自分の動きに合わせたものを取り入れるという柔軟な姿勢からだ。

 

持っているものは素晴らしくてもそれがバラバラでは機能を発揮しない。それがようやく噛み合う雰囲気が梅山に漂っている。今回の成績がきっかけとなり、大きな飛躍を遂げるかもしれない。