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SMBCシンガポールオープン 2020

タイのハマちゃん。コウスケ・ハマモトが暫定首位に

©JGTOimages
2020初戦は、初日から波乱の幕開け。午後から雷雲に覆われたコースは一時中断を挟んで、現地時間の16時45分から再開したものの、シンガポールの陽が暮れた。

午後からコースに出た45人が第1ラウンドを回り切れずに翌17日に持ち越した。
その中で、6アンダーで上って暫定の首位に立った選手の名前がややこしい。

いかにも日本名だが、JGTOのスコア速報にはカタカナで「コウスケ・ハマモト」。
でもアジアンツアーの枠からエントリーしているタイ選手で、マレーシア人キャディを連れて歩くが、しかし交わす会話は日本語で…。
どういうこと!?
この日、同組で回った稲森祐貴も戸惑った。
「英語じゃないんだ、って。ビックリしました!」。
プレーにも仰天。
「めっちゃパター入るんですよ!」(稲森)。
ピンチもチャンスもことごとく沈めて、天気が崩れる前にボギーなしの「65」で上がった。

漢字で書いたら「濱本康介」。
タイと日本の両国籍を持つ20歳だ。お母さんがタイ人で、愛媛県松山市出身のお父さんは、いま東京で単身赴任中。
母と2人でタイに暮らすが正月には祖母が待つ、愛媛の父の実家に里帰りをするのが家族の恒例行事だ。

タイ語と英語と日本語が話せるが、一番得意なのは英語。
でも、マレーシア人キャディのグナさんは英語が苦手でタイ語も話せず取捨選択で、コースでの会話は日本語でとなったわけ。

ゴルフを始めたきっかけは、日本が誇る国民的ゲームの”みんゴル”。
アジアンツアーでレギュラー昇格を果たして2年目の今季は、日本ツアーにも挑戦するつもりでいたところで、さっそくメンバー入りする大チャンス。
「大きな試合に出られることに感謝しながら笑顔のプレーを心掛けた」とゴルフスタイルは、生まれ育った”微笑みの国”仕込み。
「大会は、まだ3日もあるので優勝は考えずにプレーします」。タイのハマちゃんは気負わない。