ZOZO CHAMPIONSHIP 2019

史上最も短いパー4で響く美声。無観客試合でみせたスタートアナのこだわり

「明日はケインさんと交代です」
巨大なギャラリースタンドに、人々をぎっしり詰め込んで、トッププレーヤーが華々しくスタートしていくはずだった、第2ラウンドの10番。

冠水被害が起きて、フェアウェイが完全に水没したパー4は、きゅうきょかろうじて水が引いた、フェアウェイのわずかな場所を利用してティを仮設し、140ヤードと前代未聞の距離設定で、行われることになった。

26日のこの日、3日目は安全を優先して無観客試合に。
なんとも
寂しい光景になってしまったスタートホールを、懸命に盛り上げようと奮闘したのが、スタートの選手コールを担当したマイケル・リーバスさんだ。

静まり返ったコースに高らかに美声が響く。
ギャラリーがいないのだから、淡々と選手名を読み上げるだけでも良かった。
しかし、だからこそリーバスさんはPGAツアーさながらに、英語の呼び出しで、格闘技風にかっこよく声を張ることにこだわった。

スペイン人の祖父と父親はアメリカだが、お母さんは日本人。
普段のお喋りは流暢な日本語で、「何より選手のモチベーションを考えました。お客さんがいないからこそ、少しでも気持ちを高めてスタートしてもらって、いいプレーをしてもらう。そうしたらまた、明日からたくさんのお客さんに見にきていただけますよね」と、リバースさん。

あるときはミュージシャン、またある時はスポーツイベントの司会で軽妙なトークを披露する。多彩な顔を持つスタートアナウンサーのマイク芸のおかげもあって、リバースさんが選手紹介をつとめた国内史上もっとも短い140ヤードのパー4では、国内男子史上タイとなる、1日16個のイーグルを記録した(データの残る85年以降)。
「明日はまた、たくさんのギャラリーが来てくれて盛り上がるでしょう」。
最終日のスタートアナは、リーバスさんから日系人俳優のケイン・コスギさんにバトンタッチ。
日曜日は再び大勢のギャラリーで、最高潮に盛り上がりそうだ。