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日本オープンゴルフ選手権競技 2019

上りの5ホールで9オーバー。塩見好輝は終盤の大崩れで初Vを逃す

これが古賀の罠か。神様のいたずらか。
唯一のアンダーパーで最終ラウンドを出た塩見は前半「36」のパープレーで一時、2位に4差つけたが後半「43」。残りの5ホールで9打落として、通算5オーバーの10位タイ。ビッグタイトルでの初優勝は、夢と消えた。

2位と3差の単独首位で最終ラウンドをスターとさせた塩見は1番、4番でボギーを先行させたが7番の連続バーディでイーブンパーに戻した。8、9、10、11番と、きわどいパーパットを拾い続けて脅威の粘りを見せた。

13番で4メートルのバーディチャンスを沈めて4打差。
大量リードに沸いた直後に悲劇は起きた。
「まさか、自分もこうなるとは思っていない」。
V経験のない塩見が難コースの本当の怖さを見たのは、右林に入れた14番からだった。
ダブルボギーを打つと、次の15番では「欲が出た。バーディを獲りに行った」と、フェアウェイからSWを持ったピンまで100ヤードの2打目は一度グリーンを捕らえたが、勢いが足りずにバンカーまで転がり落ちた。
左足下がりのライから脱出に2打かかるなど、5オン2パットのトリプルボギーを叩いた。

「普通にパーで終われるところ。ダメですね。考えられない。完全に切れちゃいました」と、17番の難しいパー3でまたトリプルボギー。堪えてきた緊張の糸は切れた。
「ずっと我慢できてたんですけど、なんか罠にハマって下まで行っちゃった」と、歯止めが利かなくなった。
最後の18番はボギー。上がり5ホールで9オーバーを叩いて力尽きた。

「このコースだからそうなったのもあるけど、僕の技術がないのかもしれない。精神的にもきてたのかな、って…」。
痛みをこらえるように、両目をぎゅっとつむった。
最終ラウンドは、超難コースで13番まで唯一のアンダーパーを続ける健闘を見せたが「リーダーで終わらないと意味がない」。
自分に厳しく言わざるをえない結果になってしまった。

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