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SMBCシンガポールオープン 2018

新選手会長が、初めてのシンガポールで

史上最年少の選手会長に就任してから自身最初の実戦。そして、今年は名実ともにしょって立つ、ジャパンゴルフツアーの今季初戦。
18日の開幕を前日に控えたこの日、水曜日の大事なプロアマ戦こそ、穴を開けるわけにはいかなかった。

「せっかく盛り上がっているので。ゲストの方と、プレーできることを楽しみにしていたので。2クラブくらい飛ばないですけど、お見苦しくなっちゃうんですけどと、アマチュアの方にはお断りをしてプレ−した」と石川は、やむなくフルスイングを控えたハーフショットで、おもてなしの18ホールをなんとか回りきった。

「朝、起きてからトレーニングをして、ふと上を見上げたときに、ぴきっと音がした」と、首の右側に違和感を感じたのは、16日火曜日。
その日は練習はとりやめ安静につとめたが、患部の炎症とそれに伴う痛みはまだ完全にはひいていないという。

米ツアー転戦中の昨5月には、首の左側を痛めた。
「そのときに、ストレートネックでヘルニアを起こしやすいから気をつけなくてはいけないと言われていた」と、大事な初戦で今度は逆側に、その懸念が出てしまった。

「でもインパクトにも、スコアにも影響が出ることはない。なんとか明日までに良くなってくれれば」と、出場の強い意志は変わらない。

歴史と伝統の今大会が、日亜共同主管に組み込まれて3年目にして今年、初出場の石川。

初日は、ガルシアとアジアンツアーの賞金王でマレーシアのガビン・グリーンとの注目の組み合わせだ。
「RYOのことは昔から知っているけど、随分長い間一緒にラウンドしてないので、とても楽しみ」とガルシア。昨年のマスターズ覇者も、日本ツアーを代表するスター選手との久々の顔合わせを心待ちにしている。

開幕前日のこの日はコースを背景にガルシアらとのフォトセッション、公式会見にも呼ばれて英語で対応した。
各国メディアの前で、石川が掲げた今季のテーマは「自分との戦い」だ。

「たとえば弱い自分が出たとき。守りに入った自分が出たときの自分との戦い。今まで自分が作ってきた記録との戦い。そういうものに勝っていければ、おのずと結果はついてくる。勝利数でいえば5勝」と具体的な数字としては、年間4勝をした2009年を上回る成績を掲げた。
「そのために、まずは1勝にフォーカスしたい」。
新選手会長は痛みにも屈せずしっかりと、目標を見据えた。