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マイナビABCチャンピオンシップ 2018

ちびユータはでかユータのいない間に

最後の9番は、「速そうだったんで。ラインも難しそうだったので。ノーボギーで来られたので。寄ってくれたらというのが途中から、ラインに乗った」と、警戒に警戒を重ねた7メートルの下りフックがカップに飛び込んだ。

でかユータのいない大会で、鮮やかなバーディ締めに「今日は完璧なゴルフが出来た」と木下裕太。
とうとうボギーなしの6アンダーで、回り来った初日は「朝一からピンチでした」。
1打目が、深いラフに。しかも「ティフトン芝の逆目に。これは無理だと思ったら、凄く上手く打てて。1.5メートルを入れられ今日は我慢できる、と」。

さっそくボギーを回避してから耐えに耐えて、ようやくインスタートの18番で、2メートルを沈めてこの日最初のバーディを迎えた。
折り返すと後半9ホールは、5つのバーディラッシュで一気に順位を上げてきた。

今大会は初出場の09年大会以来、2度目の登板。
丸10年のブランクも「そっとラインに乗せるだけで、イメージが出やすい。速いグリーンが好きなので」。
名物の高速グリーンも望むところか?!
「でもこれ以上速くなるとちょっと・・・」と、苦笑いで、「10年前に出た時も、何だこれは、と思ってやっていました」。
木下の記憶によると、当時はスティンプメーターで13.5フィートを記録していたといい「今週もここからシメて、速くなると思うので」。
好きこそ物の上手でも、「こうは上手くいかないと思うので。そのためにも良い貯金が出来た」。
好発進に、色気も出てくる。

今季はここまで2000万円余を稼いで、プロ11年目の初シードはもう安泰でも「それで安心したら、ここからグダグダとなる。確定したから成績が落ちたと思われたらダサいので。しっかり締めて行こう、と」。
初シード入りの大きなきっかけとなった。「ISPSハンダマッチプレー」の準々決勝で、池田勇太に敗れた際には悔しさをこらえて宣言した。
「JTを目指します」。
その年の勝者と賞金ランク上位者を合わせて30人しか枠がないシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を目標に掲げたからには、男に二言は許されない?!
「言っちゃったので。やるしかない」と、好発進に改めて公言した“ちびユータ”。
地元千葉の練習場で出会ったひとつ上の池田と同名ではややこしいと、識別についたあだ名である。
でかユータは今週、世界ゴルフ選手権HSBCチャンピオンズで中国にいる。
「今週は一人、ものすごい人がいないんで。ちょっとは可能性があるのかな??」。
留守の間に、お株を奪う?!

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