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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2016

藤田寛之は「ここで勝つと、一目置かれる」

今週は火曜日に、わざわざ会場まで来てレッスンしてくれた芹澤信雄。その師匠以上に藤田が近頃「背筋がピッとなる」のが、今年JGTOの新会長に就任した青木功である。

スタート前に、直立不動の練習グリーン。「今日は、ムービングサタデーのピン位置だから」と、青木は言った。確かに、わりと早くコースに出ていった選手たちの中には、スコアボードに赤字が多く見られて、4日間のバランスとゲーム展開をも踏まえた選手目線の策略に「さすが世界のアオキ」と感心しきりで藤田もスタートしていったが、しばらくしてすぐに首をかしげてしまった。

「本当に“ムービング”かな・・・」。無理もない。午後からまた、風も吹き出して「今日もまた、めっちゃ難しい」。5番で左の風を気にするあまりに、池に入れた。6番で、すぐに取り返しても胃が痛くなるようなプレーが続いた。後半の15番ではラフからラフを渡り歩いたあげくに、アプローチをミスした。「出来ればああいうミスは、避けたかった」。心が折れそうになる寸前で、食い止めた。

「このコースでスーパープレーは必要ない。いかに、リカバリーするか。いかに自分に負けないように回れるか。17番で、そういうプレーが出来た」と珍しく胸を張る。

ティショットを左のラフに入れた481ヤードのパー4は、キャディのピーターさんと相談に相談を重ねていったん池の手前に刻んで、右手前3メートルのパーをしぶとく拾った。

「15番で、ボギーにして17番でもずるっと行きそうになるところを、レイアップしながらのパー。非常に大きい」と、普段は冷静沈着な選手が我知らず、ガッツーズを握っていた。
その様子を、NHKの中継ブースで見ていた青木は、あれはいいと褒めていたそうだ。今週の火曜日の選手ミーティングで、新会長は「気持ちを前面に出していこう」と、若手たちに説いたばかりだった。
さっそく、青木の期待に応えられたようで46歳も嬉しかった。

最終日こそ、そんなレジェンドのおめがねにかないたい。
このツアープレーヤーNO.1決定戦は、藤田にとってもぜひ手に入れてみたい日本タイトル。今年17回目の開催は、歴史こそまだ浅いが、「年々、日本を代表する大会に成長している」。
まして、「今年は、青木さんが会長になられて、よりいっそう大会にハクがついたし、コースセッティングも素晴らしい」。就任して最初の主催競技に注ぎ込む、青木の情熱もハンパではない。
「こういう大会で勝つと自信もつくし、回りからも一目置かれますよね」。
前人未踏の3連覇を飾ったゴルフ日本シリーズJTカップに続く、2つめの日本タイトルを睨んだ。

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