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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2016

池田勇太は思うように上昇できないもどかしさ

谷原は、逆転の賞金王には勝つしかないと明快だが、そうなれば、守る池田が逃げ切るには単独3位以上が条件となり、悩ましい状況に、この日も各所のリーダーボードをガン見していた。

「僕は、いつも絶対に見る。今日どれくらい出るものなのか」と、冷静に周囲の動向をうかがいながらプレーする。
序盤で、さらに谷原との差が開いていることは承知していた。4番、5番の連続バーディに続いて6番では240ヤードから、4番アイアンでつけた8メートルのイーグルチャンスをねじ込んだ。

その時点で、谷原に2打差と迫って「いい流れが来るのかな、と思ったところでまたボギー。流れを止める原因となった」と躓いた8番で、憮然と「内容が悪いわけではない。ナイスショットをしても、風なのか何なのか。いまいちわからないが、対自然な訳ですから。自分に味方してくれるのを、待つしかない」。

グリーン上では、数ホールで惜しくもカップをなめる場面もあった。「入らないときは、入らない。入れられない自分が悪い。どんな状況でも入れなきゃいけない」と、思うように上昇できない悔しさに唇を噛みしめた。

「昨日は昨日、今日は今日と思ってプレーするしかない。気持ちを入れ替え、今日は忘れてまた明日から。毎日それの積み重ね」。
賞金1位が最後の試練と戦っている。

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