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アジアパシフィック ダイヤモンドカップゴルフ 2016

先週は心が折れた。山下和宏がツアー初Vのチャンス!

3打差の、3位タイから出たこの日の3日目より「初日、2日目のほうが緊張していた」。8月の「RIZAP KBCオーガスタ」で予選落ちをしてから「もう1ヶ月も、予選を通ってない」。

先週のANAオープンは2日目に82を打って「嫁に覚悟しとけ、と言いました」。今季はまだ、700万円ほどしか稼げていない。シード権の確保には、ほど遠い。
幼い子どもを2人抱えて家族には、苦労をかけたくないのに。
「こんなに努力して、一生懸命やっているのに思うようにいかないのはなんでと。心が折れそうになって、・・・折れた」。

いつもの明るい笑顔も完全に消えたかに見えた。
「それが、今週こうしてゴルフが出来ているのが不思議」と、この日は4番でチップインバーディもあり、後半は16番でリーダーボードを確認して「何気にいい位置にいるんだ、と」。
うちひしがれた翌週に、一気に今年の出遅れを取り戻せそうな勢いだ。

ここ茨木カンツリー倶楽部は、トッププロでさえ普段、なかなか回る機会がない敷居の高さだ。そんな名門コースで山下は、まるで“ホーム”に帰ってきたかのような心地よさで、過ごせる。

まだツアー優勝こそないが、2008年に初シード入りを果たすと地元のゴルフ界でジワジワと知名度を上げ、コースのメンバーさんや今大会主催の日本ゴルフ協会の役員のみなさんとの交流も深くなり、ラウンドに誘ってもらえるチャンスも増えた。

コースのお隣の高槻出身。自宅から車でわずか15分のコースは、マスター室やレストランにも顔馴染みの職員の方々がたくさんいて、「コースにいても地元みたい」と、普段着のまま戦えることも強みだ。

今週は主催者推薦も頂いて、何から何まで恩義にたえない。恩人の前で「明日は、何か一発やりたい」。苦しんで苦しみ抜いた序盤を晴らして、ツアー初優勝で報いるチャンスだ。

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