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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2015

兄弟対決・・・・・・!!

宮里兄弟の2015年が、ようやく明けた。仲良く声を揃えた。「やっと開幕しましたね」。まずは弟。この日、66で回った優作だ。通算6アンダーは、11位タイで決勝ラウンドに進出して「明けまして、おめでとうございます」と、おどけたのも無理はない。連覇をかけた開幕戦で予選落ちを喫すると、2試合目の中日クラウンズでもまた落ちて、3試合目にしてこれがようやく、今季初の決勝ラウンド進出だ。

出遅れた一因は「パットに尽きる」という。「そのせいで、いいショットしたときに、良い流れを呼び込めなかった」。地元名古屋で、ぽっかり予定が空いてしまった2週前の週末から、懸命に立て直しを試みてきた。

「先週は、家から15本のパターを持ち込んだ」。千葉県の麻倉ゴルフ倶楽部で行われた「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」の会場でも、手持ちのパターをとっかえひっかえ。
「先週のうちに、5本に厳選して、さらに今週2本に厳選して・・・」。
それでいて、いざ本戦ではまったく別の、新しいピンタイプのパターを使っているというのが笑えるが、「まっすぐ打とうとしすぎていたのを、狙った方向に打てるように」。また今までのクローグリップを、「順手に持ち替え、よりタッチが出るように」。

試行錯誤の成果がやっと出てきて、「めっちゃほっとしましたね」と苦笑い。試合のない週末は、やっぱりプロゴルファーとして屈辱だ。「土日暇なのは、やっぱり寂しい」。今週こそ、会場で賑やかにギャラリーを沸かせる。

そして兄の聖志も好調だ。先週の「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」でもV争いを繰り広げたし、いつも一緒に練習ラウンドする優作も「つけいる隙がないくらいに、今の兄貴は調子がいい」。惜しむらくは今年、シード落ちを喫した聖志には2週前の中日クラウンズに出場資格がなくて、「試合がないのがもったいないね」と、兄弟で残念がったほど。

この日も前半は11番から10メートル超を立て続けに沈めて、弟に負けじと首位と3打差のV争いに加わった。
「優作と、俺たちなかなか開幕せーへんな、って言っていたのでね」と、聖志もしみじみと3日目はいよいよ兄弟対決にも揃って目が輝く。
「俺はあいつのゴルフが好きなので。リズムが合うし、良いところで2人で回れるのは楽しみ」と聖志。「今日はずっと、アニキに追いついてやろうと思ってやっていたので。競争相手が身近にいてくれるので、ありがたい」とは優作だ。

相乗効果で目指すは、プロ日本一。「プロゴルファーしか出られないレベルの高い争いで、そりゃもう、誰でも欲しいタイトルです」と優作が言えば、聖志は「明日も2人とも良い感じで伸ばして最終日こそ、一緒に良いところで回れればいい」。
ファンにとってもたまらない、決勝ラウンドとなりそうだ。