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HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF 2015

行ってらっしゃい、ヒロシ

米ツアーでも、キャディの新岡隆三郎さんと一緒!!
一見、そうは見えないけれど、でっかい夢を抱いて飛び立つ。ヒロシが11日深夜の飛行機で、アメリカに向けて出発する。

いよいよ本格参戦を果たす米ツアーでは、「日本でゴルフ場を買って、そのあと管理していけるほどのお金を稼ぎたい」と言ったのは、自身の幼少期のトラウマが背景にある。

今も苦い記憶はジュニア時代。「高校生が、ゴルフ場に行ったら当時は生意気だと怒られたんです」。悔しくて、心に誓った。「プロになって、お金を稼いで、いつか自分のコースを買って、小さな子にゴルフの楽しさを教える」。ただ、今だに子どもの扱いには慣れなくて、「教えるのも下手だけど」と、レッスンには自信はないけど、未来のプロゴルファーに、自分と同じような思いは絶対にさせたくないと思っている。胸一杯の優しさを、ポーカーフェイスの奥底に秘めている。

渡米前の最後の一戦は、もちろんここで優勝争いするに越したことはなかった。大会主催の本間のみなさんが、まだツアーで勝ったこともない自分に声をかけてくださったのは、4年前。「こんな俺に、何でかな」と、内心では首をかしげながら、だからこそ「会社のために、活躍したい気持ちがあった」。

そして同社が社運をかけて起ち上げたこの第1回大会では、自らのゴルフで盛り上げたい気持ちで一杯。次週にも始まる来季米ツアーの出場権をかけた入れ替え戦「ウェブ・ドット・コムツアーファイナル」から、帰ったばかりの体にムチ打ってホスト試合で奮闘しても、最終日にやっと67を出すので精一杯。

仲間のプロにも、本間のみなさんにも、雨の中、見送りに駆けつけた熱心なヒロシファンにも、口々に「頑張れ」と、期待を声をかけられ、少し戸惑う。
「期待してくださる気持ちも分かりますけど、そっと見守っていて欲しいです」。
今夜の渡米に当たっては「不安しかない」。そんな思いは舞台がアメリカでも、日本でも、どこでも同じだと言い、「僕は周りの方が、思ってくださるほど上手くはないので」。

いよいよ大海にこぎ出す日も、相変わらずヒロシのテンションは、低いまま。スーツケースも「セーターが、汚れていたので取り替えたくらい」と、アメリカと日本を行ったり来たりのこの1ヶ月と荷物の内容もほとんど変わらず、普段着のまま旅立つ。
初戦は、カリフォルニア州で行われる米ツアー開幕戦のフライドットコムオープン。「目標は向こうに行ってから決めます」と淡々と、「僕のことなんか、みなさんそんなに興味ないですよね」なんて、とんでもない。みんなが海の向こうの活躍を応援している。頑張れ、ヒロシ!!