Tournament article

HONMA TOURWORLD CUP AT TROPHIA GOLF 2015

お帰り、ヒロシ

ヒロシには珍しいハイタッチ。14番で長いバーディパットを沈めて、満面の笑み。帰国直後の7日水曜日はまずはプロアマ戦で、日頃の恩に報いた。

「今週は、契約してもらっている本間さんの試合」。しかも記念すべき第1回大会だ。「本間の選手みんなで盛り上げられたらと思います」。

前日6日の火曜日に、アメリカから戻ったばかり。「全米プロでもそうでしたけど、僕の飛行機はいつも遅れる」。4時間遅れの19時半に日本に着いたばかりで時差ボケも、疲れもあるが、次週にはまた渡米直前の日本ツアーで、恩返しを誓った。

次週にも始まる来季米ツアーの出場権をかけた入れ替え戦「ウェブ・ドット・コムツアーファイナル」は先週、終了。シリーズ全4戦の獲得賞金で12番目につけて、同25番目までに与えられるツアーカードを手にしたが、めったなことでハシャいだり、喜んだりしないヒロシは、無表情のまま。
「ただ出場権が獲れたな、という感じで嬉しいとかは、なかったかな」と、式典で受け取った“出場証明書”もその直後に一時、行方知れずになった。

「なくしちゃいけないと思って、いつもはくズボンに入れたんですよ」と言っても、パジャマのズボンで、自分でもどのポケットに入れたか、うっかり忘れてしまって、荷造りのときに、無造作にスーツケースに丸めてしまった。

「どこ行ったんだろう・・・」と思いながらも、取り乱すこともなく、帰国して、再びホテルで荷を開けて、見つかって安堵した。
こう見えて、いろいろ考えるところはある。
「キョンテや、ヒョンソンは日本ツアーで戦って、日本語を話すでしょう。テニスのウィリアムズ姉妹が日本で勝った時は、紙に日本語で書いて、優勝スピーチをしたでしょう。愛されるためにはそういうのが、大事だと思うんですよ」と、向こうでも積極的にコミュニケーションを取るつもり。

「いいのがあったら、向こうに家を買いたいけど高いでしょう? 通帳と相談です」と、拠点にも頭を悩ます。“チームヒロシ”の件もある。「キャディとトレーナーと、マネージャーと僕と4人で動くつもりだけれど。日本と違って、ずっと一緒になるから。切り替えも大切ですよね」。

向こうでアメリカ人の彼女でも作ろうかな・・・。「英語を覚えるには、彼女を作るのが一番早いって言うじゃないですか。でも女の人って大変じゃないですか、万国共通じゃないですか」と、向こうでの生活を考えだすと、とことん悩ましいヒロシである。

しかし、とにもかくにもまずは今週である。
今大会主催の本間ゴルフと総合契約を結んで4年目。「僕がまだ、全然活躍していない時に、契約したいと言ってくれて」。
オファーを受けた際には「こんな俺に、何でかな」と、ツアーでも未勝利の自分を認めてくれたことが、不思議だった。だからこそ「会社のために、活躍したいという気持ちがあった」。本間ゴルフの名を世間に広めたい、という気持ちで頑張ってきた。
それだけに、しばらく日本を留守にしていても、賞金ランク2位のまま今大会を迎えられたことが嬉しい。
“TEAM HONMA(チーム本間)”の筆頭として立つ第1回。「狙って勝つような実力はないですが、今週、優勝出来たら最高ですね」。弾みをつけて次週からは、本間の名を世界に広めるという使命のためにも、心置きなく旅立ちたい。