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長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2015

ミスターの前で“自己ベスト”の68! 池田勇太がここで初のV争い

ミスターの前で、期待に応えた。17番のグリーンで、その姿を見つけた。「はっぱをかけに来てくださった」。選手会長は長嶋茂雄・大会名誉会長の応援を、無駄にはしない。
「最後は4発ともいい形で締めくくれた」と、最終ホールこそ104ヤードの3打目をピンそば1.5メートルにつけた。

もっとも「これはスライスなのか、フックなのか、まっすぐなのか・・・!?」。専属キャディの福田央さんと、カップの周りをぐるぐると、ついこぼれる苦笑い。
「このグリーンはほんとわからん!!」。最後も鮮やかに読み切って・・・とは行かなかったが、「最後にバーディ取れ」と、背中を押してくださった里見治・大会会長の期待にも、精一杯に応えたバーディ締めだ。

ミスターや里見会長だけではない。「ファンのみなさんも、きっと俺のバーディを首をながーくして待っている」。そして、「俺も待ってる」。しかしなかなか決まらない。「最後のバーディは良かったけれども・・・。おまけみたいなもん」。1日を通して言えば、「いい流れはひとつもない」と、諦めモードが現状だ。

ツアー初優勝の日本プロから始まって、恵庭と、小樽と、輪厚と。北海道で3勝もあげながら、どうにも攻略出来ずにいるのがここ、ザ・ノースカントリーゴルフクラブである。何よりグリーンが読み切れない。「いろんなパターを持って来てやっても、おんなじように転がってくれないんだよ」。
そのうち、グリーンに不信感すら抱くようになり、苦手意識しかなくなった。

「今までは、がつがつやって、墓穴を掘っていたけれど」。らちがあかずに、方向転換。「とりあえず、今年は無欲で」。入らなくても、イライラしない。「そう、俺は悪くないんだ、と」。いっそグリーンのせいにしてしまえば気も楽だ。
「打って、乗って、入るのを待っている」。今年はひたすらその繰り返しで、このコースで自己ベストの68を出した。2011年の25位タイが最高のこの大会で、4年連続5度目の出場にして、初めて優勝争いに名乗りを上げた。

「この試合に出て何年にもなりますけど、この順位で来たことは、今まで一度もありませんので」。大きなことは言わないけれど、「1回でも多くナイスバーディって言っていただけるように。これ以上順位を落とすことなく頑張りたい」。最終日こそ、ミスターの期待に応える。

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