481ヤードと距離が長く、池越えの17番パー４は、２打目をグリーンの奥に打ち込んで、アプローチも寄せきれず「３メートルの曲がるフックラインは、うまく入れることが出来た」と、この日最大のピンチもしのいでボギーなしの68。

「ラッキーもありました」。
４番は、右上から10メートルのバーディトライ。15番は、７メートルのチャンスもねじ込み「そのかわりに入れたい、と思ったパットが入ってない。力が入りました」と、苦笑いも３アンダーの２位タイは、上々の滑り出しだ。

難しい宍戸では、「まだ初日ですし、目立たないように行きたいな、と思っていたのですが」と、そこは嬉しい誤算。開幕から２試合連続の２位と今季、絶好調の選手は「スコアが出ているうちに、行っときたいなという気持ちもあります」と、相変わらずイケイケどんどん。

このツアープレーヤーNO.1決定戦は、２０１１年大会から昨年の竹谷佳孝までツアー初優勝者を輩出し続けており、「はい、そういう話は聞いております。フフフ･･･」と、山下も意味深な笑いで、その流れに乗れるか。

いよいよこの大舞台で壁を破れるか。
「落ち着いてきましょう」と自分に言い聞かせた。「もちろんそうなればいいですけど、まだ初日が始まったばかり。これから長い３日間になる」と覚悟は出来ている。

「嫌な雰囲気になってくると、打ち急ぐくせが出てくる。常に自分のリズムで打てるかどうか。その中でフェアウェイに打つ量をどれだけ増やしていけるか。精神的にもタフにならないと、どんどん悪い方へ行ってしまうコースなので」。宍戸では、このまま試練と無縁の栄光はないことも、41歳は嫌というほど知っている。

• 山下 和宏
• 竹谷 佳孝