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ブリヂストンオープン 2014

藤田寛之が65をマーク

フィニッシュもそこそこにクラブを取り落として首をかしげ、他の選手のプレーを待つ間にしきりに素振りを繰り返す。「スコアは120点ですけど、ショットがボロボロなので・・・」。この日はボギーなしの65にも「今日は、パットだけ」。目下、賞金1位のベテランは、得意分野を駆使して前日の36位から這い上がってきた。

もっとも、ここ最近はパットもそれほど良い状態ではなかった。対策として、パターを持ち替える際は普通の選手なら、「マレット型」など、どちらかというと、易しいパターを持ち出すところを、「僕は、逆に行く傾向がありますね」。
苦境に立たされるほど、自分を追い込むたちは今週も、練習日にバッグに入れたのが以前、愛用していたT字型のパターだ。

「試合中に、難しい道具で自分の感覚を刺激したかった」と藤田。「でもやっぱりあまりにも難しくて。そろそろエースを」と、この日はいつものピン型に戻すなり、たちまち本来のタッチを取り戻した。あえてすこぶる難しい道具を使った上で、再び愛用のパターに戻す「荒療治」で首位と5打差の11位タイに浮上してきた。

孔明は藤田をして「目の上のたんこぶ」と表現したが、今季3勝を挙げて、賞金ランクも1位に浮上してから、2度目の賞金王獲りを公言した藤田にとっても孔明は、気になる存在だ。

この日朝の新聞報道で孔明が「攻めていく」と話していることを知って、「僕も攻めて行かなくちゃいけないのかなあ、とか・・・」。少なからず、影響を受けている。

いつもスイングに試行錯誤のベテランは、コースでは相変わらず眉間に皺で、「ショットは明日に何の展望も見えないですが」と、そこはちょっぴり後ろ向きでも「自分も出来るだけ上にいたい。賞金王が、ひとつ目標にある者として、明日も出来るだけ頂上に近いゴルフで終わる」。孔明に負けじと、強気に挑む。

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