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ANAオープン 2014

藤田寛之も63をマーク

最終組で回る弟弟子も、脅かす猛チャージを見せた。一昨年大会の覇者の藤田が後半の2番から「入り出したら止まらない。かっぱえびせんみたいなゴルフ」。それもさすがに7番で、止まるかと思った。
残り140ヤードは右のラフから6番アイアンで、グリーンの奥に打ち込み、「なんとかパーでは上がりたい」と打った20ヤードのアプローチもカップに沈んでバーディを、見事に6つ並べて「今日は年に何回もないようなゴルフができた」と、滅多に自分を褒めない選手が珍しく、自画自賛。

前日2日目には、右肩の痛みがぶり返して今週、バッグを担いでくれる坂井恵さんが、女性キャディらしい気配り。「あまり練習しないほうが良いと思います」と言われてベテランが素直に頷く。1時間に短縮したホールアウト後の練習もぎゅっと凝縮して、ショットもパットも良い修正が出来た。

「今年、自分のゴルフは今週の北海道の天気みたい。晴れたと思ったら、凄い雨が降り出したり」。この日3日目も、朝の晴天が嘘のよう。午後からほんの一瞬でも土砂降りの雨にも似て「僕のゴルフも、不安定要素がたくさんあるのですが。その中でも今日のゴルフは出来すぎですね」。

この日3日目は「宮本が最終組で。僕はインのトップで」。後半のアウトコースは、弟弟子がスタートしたそのあとを、追いかけていく形のラウンドに、「追いつかないかな、と思いながらやっていた。・・・いや、スコアじゃなくてね」。前日は通算2アンダーの30位タイから、まったく意図せずして一気に大会2勝目も狙える位置に上がってきた。

宮本は、宮本で「勝って藤田さんを泣かせたい」と意気込むが、藤田はそんな挑発にはのらない。先月の「アールズエバーラスティングKBCオーガスタ」は九州男児としては、一生の不覚。

「せっかく地元で、父親にも現場で優勝を見せてあげたかったという気持ちで泣いてしまったのですが、うかつでしたね。男は涙を見せないもの」。
最終日はたとえ輪厚で今季3勝目でも、今度はカラっとした優勝シーンにするつもりだ。

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