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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2013

池田勇太は「自分に呆れている」

破天荒な生き様とは裏腹に、意外と引きずるたちだった。忘れるどころか、「日に日に、頭に来る」。選手会長は、今だに自分に怒っている。先週のカシオワールドオープンは、大学の後輩相手に一時は3打差をつける逆転に成功。

池田の楽勝ムードでゲームが運んでいたはずなのに、最後の最後に「自滅負けだからだね・・・」。松山に再度、追い上げられて負けたのならまだしも、16番からの連続ボギーで自ら沈んだ。勝ちパターンを自ら手放した。

「自分に呆れたってことですよ」。
その後遺症が、まだ癒えない。むしろ、時間が過ぎれば過ぎるほどに、自責の念にさいなまれて「なんかねえ・・・。今もあまりやる気が起きないんですよ」。いつも威勢のよい選手が、ぽつりと「明日、ティグラウンドに立ったときに“よし、今週行くぞ”という気持ちになってくれたらいいねえ」と浮かべた苦笑も気迫ゼロ。

今季は、前代未聞の立候補で史上最年少の選手会長に就任して、それこそ1月から自分のゴルフもそっちのけで奔走を続けてきた。両立の難しさを身をもって知ることで、「もう勝てないんじゃないか」という不安の中で、勝ち取ったツアー通算11勝目は11月のマイナビABCチャンピオンシップで、27歳の男泣き。

今年は、4勝をあげた松山のほかは、みな1勝止まりで池田にとっても開幕前に、目標に掲げていた年間複数優勝の最後のチャンスも、それを目標に「気持ちが高ぶっていけばいいんですけど。そんな目標も、とうにどっかに忘れて来ちゃったし。今はまだ、それに向かって気持ちが奮い立たない。明日はどんな気持ちで行ったらいいのか」と、先週のトラウマは深い。

最終日は全員出席の表彰式で、選手を代表してこの1年の感謝をのべる大役が待っているだけに、この鬱憤をみごと晴らして優勝スピーチと合わせて、思いのたけを語ることが出来たら最高なのだが。
「そういうのって、結局は自分のゴルフでしか取り返せないことだからね」。本人も頭では、十二分に分かっているのだが。

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