Tournament article

ダンロップフェニックストーナメント 2013

山下和宏が単独首位発進【インタビュー動画】

この日、同じ組で回ったJ・B・ホームズは、5年前の自分を見るようである。アメリカから今年、初来日をした招待外国人選手は、初日に79を打った。「ひとつ悪くなると、どんどん深みにはまる。自分がどこで、何をやっているかさえ分からなくなる」。それが、ここフェニックスカントリークラブだ。

山下が初出場を果たしたのは、2008年。初日に76を打った。「実際に、ここのグリーンに立ってみて、初めて分かる。みんなこんなアンジュレーションのきついところでやっていたのかと」。
ひとつのミスから、芋づる式にミスを重ねて「やってて、怖くなるばっかりだった」と、あっけなく予選落ちを喫した苦い記憶。

ホームズの姿があのときの自分と重なって見えた。

あれから5年が経って、シードの常連となり、毎年大会にエントリーを重ねて、「行ってはいけないところとか、すべて頭に入っていて段々ボギーが減ってきた」と、今年は首位発進にも成功した。この日は実に、6つのバーディで67で上がってきた。「最近はゴルフをしていて、僕もだいぶショットが上手くなってきたなあ、と。いま自分が持っているもので、良いスタートが切れた」。初日の67は、何より自信の表れだ。
「・・・あともうちょっとパワーがあればというのはない物ねだり」と、自嘲の笑みは余裕の表れ。

プレーの内容は、5年前より確実に進化をしても、ゴルフは3週前に、原点に立ち返ったのが良かった。
自分のスイングをビデオに撮って、スイングをくまなくチェックして、「パッと見はいいんです」。形こそ理想に近づいても「なぜか最近は、ピンに寄っていかない。なぜなんだろう」。

ひもといてみたのは、5年前につけていたゴルフノートだ。「同じことばっかりが書いてあった。スイングはリズムだとか、なんとか。そうだあの頃は、ショットにしろパットにしろ、いつもリズムのことだけ考えてた」。

いち、にのリズム。
「形より、何よりひたすらそれだけ。その方法が、一番僕に合っている」。スリクソン契約選手は、悲願のツアー初Vや、2週後のツアー最終戦の出場権など、このホスト試合で得たいものは、てんこ盛りだが「気持ちを入れ過ぎる必要もない。何も変える必要もない。いま出来ることをやるだけ」。いち、にのマイペースで歩いていく。


関連記事