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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2013

池田勇太は、一歩後退でも「良くこの位置にいれるもんだ」と

前半は4番から見事な3連続バーディは「だから、いつも言ってるだろ。ショットはいいんだ」。5番は左のラフから52度のウェッジを握った。98ヤードの2打目は、奥の傾斜を上手く使ってピンまで60センチにつけた。6番は、188ヤードを6番アイアンで、右横3㍍のバーディチャンスだ。

一時は4打差の首位を快走していたかに見えたが、本人は不安で一杯。
「このコースは自信を持って、戦えないんだ」。グリーン上に、不安を抱えたままではここの高速グリーンはとても手に負えない。

3㍍が打てて、1㍍が打てない。「いや、全部が気持ち悪いよ。ここでは気持ち悪くないパットのほうが俺には少ない。慎重にもなるし、手が動かなくなる」。
イップスにも似た症状は、本人にはとても上位で戦えるような心理状態ではない。

後半は11番のボギーから案の定、雲行きが怪しくなった。「流れが悪くなった」と14番でまたボギーの直後に15番では3番のユーティリティを握った2打目を左にOB。
打ち直しも左のラフに入れて、ボギーにして一歩後退。

「それでもこの位置にいられる。奇跡だよ」と上がってつぶやいたのは、専属キャディの福田央さん。本人も、「この感じで良くここにいる。周りが伸びなかったおかげだね」と、ついに首位を明け渡しても、落胆はない。

2009年の初優勝から毎年積み重ねてきた勝ち星。もちろん、途切れさせたくないのはやまやまだが、強気になれないのが、このコースだ。
ツアー通算10勝は「だいたい、ほとんどのエリアで勝ってきた」と、「北海道、関東、中部・・・」と指折り数えて「でも関西は、試合数が多い割りにまだ勝ててない。ここで勝てればいいけれど・・・」。一応、欲はあるけど現状では、とても「勝つ」とは言い切れない選手会長だ。

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