日本オープンゴルフ選手権競技 2013

アマチュアの平井神人さんが1アンダー

国籍は日本だけれど、日本での思い出は夏休みに東京のおばあちゃんちで過ごしたことくらい。5歳まで中東のオマーンで過ごし、そのあとアメリカに渡った。ゴルフもアメリカで覚えた。
お父さんの隆行さんの厳しい指導のもとで、腕を磨いた。
ウィンスロープ大学を出て、いまは米ノースカロライナのパインワイルドCCで、時給8ドルの「パートタイム生活」。予約係で生計をたてながら、ゴルフの技術を極めている。

この母国のナショナルオープンは、最終予選会からの繰り上げにより権利を獲得して、自身初のツアー出場を果たした。

「僕は飛距離があまり出ないから」と、難コースで謙虚に、フェアウェイキープに徹したことで、アマチュアながら、好発進をした。「こんなに大きな試合は本当に初めてなので」と、今週は練習ラウンドから緊張していて、この日も「最初の3ホールは凄く緊張していました」と笑うが、コースと格闘するうちに、「楽しくなった」というから、なかなかの大物だ。

きゅうきょ、一緒に帰国したお母さんの千恵さん、妹の澪於奈さん。また、おばあちゃんの筒井信子さんは、来月に80歳の誕生日を控えて、足腰に少し不自由があり、車いすで応援に駆けつけてくれた。
「グランマに僕のプレーを初めて見てもらえた。嬉しいですね」と、お祖母ちゃん孝行に、ちょっぴりたどたどしい日本語も、弾む。

でも、お父さんはここにいない。「神の人」と書いて「かみと」と読む神聖な名前の由来も聞けないまま56歳で、この世を去った隆行さん。「ミスをするとよく叱られましたけど・・・」。今日の健闘を見てくれたらなんと言ってくれるだろう。「絶対に見てくれていると思う。明日からもお父さんが満足してくれるような、ゴルフが出来たらいいですね」と微笑んだ。