日本オープンゴルフ選手権競技 2013

甲斐慎太郎が「少ないチャンスを生かす」

日本ゴルフ協会主催のこの日本オープンは、普段のツアーと出場資格が異なり、今はひとつでも機会を増やしたい甲斐にとっても、ビッグチャンスである。

大会独自の最終予選会は予選通過には1打足りない8位タイに終わり、半ば諦めていた。
「今週は、アジアンツアーのマカオオープンにでも出ようかと」。
渡航の準備をしようかと思っていた矢先に、今大会にも欠場者が出て繰り上げ出場が決まったと連絡を受けたのは、開催前週。

チャレンジトーナメントを主戦場としている今年は、これが9戦目のツアーに「1試合にかける思いが強くて、一生懸命になる」。
2008年の「バナH杯KBCオーガスタ」でツアー初優勝を飾って、シードの常連に名前を載せるようになった当時を思い返すにつけても、「あのときも今のようにやれていれば、こんな思いをしなくても済んだのかな」と、苦笑い。

ケガの影響もあって、2011年にシード落ちを喫したときは「焦りと、自分はダメだという思い込みとで悪循環」。その年は出場優先順位をかけたファイナルQTでも失敗をして、どん底まで落ちれば、「ゴルフの怖さも知って、一度落ちて下からまた這い上がることの難しさを知った」と、 そんな苦労もまた、今に生きている。

難コースで前半、4つのバーディは「16番が一番長くて1ピン(2.5㍍)くらい。あとはほぼOKだった」と、ショットが冴えた。そして最後の9番も奥から2.5㍍のバーディトライを悠然と沈めて、「シード落ちしたときのことを思えば、ゴルフもだいぶ良くなっているので」。

きゅうきょ出場権を得た日本一決定戦で、堂々と首位タイ発進も「今年はちょこちょこ上でやっているけど」と、たとえば9月に初日2位タイから出たフジサンケイクラシックなどを振り返って「なかなか4日間続かない。少ないチャンスを、どこかで生かせたらいいなとは、思っているのですが」。
・・・それこそ今でしょ、今週でしょ!

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