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ダイヤモンドカップゴルフ 2013

藤田寛之は「大洗は自分の成長を知る物差し」

連覇とか、今季初Vとか、ツアー通算16勝目とかいうよりも、藤田はとにかく、このコースに勝ちたいのだ。誰か他の選手と戦うとかいうよりも、己とコースとの戦いに、何より喜びを見いだす男だからこそ、ここ大洗には特別な思いがある。

まずうっそうとした松林に区切られたコースは、いわゆる空中のハザードが立ちふさがって、たとえ正確無比なショットでフェアウェイを捕らえても、「サイドを間違えれば、1打でグリーンは狙えない」。たとえフェアウェイであっても絶対に打ってはいけない箇所がある。まずはティショットで、そのルートの見極めを要求される。

もちろん、ラフや林に打ち込むのは問題外で、たいていの場合は出すだけのショットになる。さらに待ち受けるグリーンは海風にさらされて、めっぽう硬い。どんなに良いショットを打っても、キックの具合によっては弾き出される可能性もある。

「本当に、どのショットも気が抜けない。終わるとどっと疲れが出るコース」は技術だけではない。精神力と、集中力を問われる。
「まぐれとか、たまたまとかは、このコースには存在しない。本当に強い選手だけが最後に上に来る。強さを証明出来る」。だからこそ、プロとしてのやりがいは、この上ない。
「もしここで勝てたら・・・」と、43歳が恋い焦がれる顔になった。

4年ぶりに戻ってきたこの舞台。昨年は、自身初の賞金王まで上りつめた自分は、ここでどこまでやれるのか。
「大洗は、自分がどこまで成長しているかを知る物差しになる」と、開幕のときを心待ちにしている。真の強さを見せつけるにも、うってつけの舞台。
「ここでの優勝は力にもなるし、自信にもなる」。大会連覇で、賞金王の力を改めて証明してみせる。

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