Tournament article

アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2012

上平栄道(うえひらまさみち)が首位浮上

出身の広島から駆けつけた両親の前で、最終日を前に首位獲りに成功した。昨年の平均飛距離は267.44ヤードの34歳は「パー5のホールで2オンを狙ったホールはまだ1ホールもない」と、難コースで刻みに徹して毎日、着実にスコアを伸ばした。

ここ東広野ゴルフ倶楽部は、やはりここで行われた2005年か2008年のダイヤモンドカップ。いずれの年かは忘れてしまったが、本戦切符をかけたマンデートーナメントから挑戦しても、出場が叶わなかった記憶がある。

当時は難しさに悲鳴をあげたものだが、プロ12年目にして「いまはなんだか楽に回れる」。
この日は7つのバーディを積み上げて、65のベストスコアをマークした。日に日に速さを増すグリーンも、「パットの調子はずっといいので」。

今年5月に行われた「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」の開催コースは宍戸ヒルズカントリークラブ。やはりタフなコースで知られるが、最終日最終組で回って優勝争い。結局、ルーキーの藤本佳則に破れはしたが、「優勝争いの中で、戦える喜びを感じた」と、味をしめた。

さらに今年2度目のV争いは、2週前の「TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN 涼仙」。
呉阿順と池田勇太の暗闇のプレーオフには進めなかったが、「最終日はチャンスをうまく作れず、気持ちも入りきっていなかった」と、反省点をあげる。
「そういうことを、経験出来たというのも嬉しかった」と、課題もしっかり心に刻んだ。
「自分を見失うことなく自分のプレーに徹すること」。
ティショットからしっかりとプランを立てて、「高い確率で、安全にバーディパットが打てるように。チャンスを多く作ること」。肝に銘じたセオリーを、さっそく試すチャンスがやってきた。

出身の広島・広陵高校には先頃、引退を決めた阪神タイガースの金本知憲選手がいる。「お会いしたことはないですが、大先輩。広陵の野球部には金本さん、ゴルフ部には上平と言われるようになりたい」。

それと11ヶ月になる長男・瑛翔(えいと)くん。最終日には、妻の香織さんと応援に来てくれるかもしれない。
もちろん、今はまだ何も分からないだろうけど「子供のためにも名前を残しておきたい」と、発奮材料も盛りだくさんで、悲願のツアー初Vに向けて気持ちも高まる。

関連記事