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〜全英への道〜ミズノオープン 2012

藤田寛之が5位タイに

表彰式で、全英オープン主催の英国ゴルフ協会(R&A)のドミニク・ウォール氏(左)から、出場選手の証を受け取る藤田。今季2戦目のメジャーに再び闘志が高まる
先週の全米オープンで日本勢として唯一、予選を通過して帰国したばかりだ。
開幕前日の水曜日に会場入りはしたものの、出場登録を済ませただけで、宿にトンボ帰りした。

さすがの43歳も「声が出にくい」と訴えるほど疲れきっており、初日も60位と出遅れた。
どうにか予選は通ったものの、普段の覇気はなく、3日目もふらふらと20位台をさまよった。

「疲れが取れない。もう若くない。鋭さや新鮮さがない」と、珍しく弱気の虫を払拭してくれたのは、谷口徹の頑張りだった。

予選落ちこそしたものの、ふたつ上の先輩も、やはり先週の全米オープンから帰ったばかり。
「それなのに凄い」と、舌を巻いた藤田の心に火がついた。
「いつもそうだけれど、谷口さんが頑張っているのだから、僕も頑張らなくちゃと思う。谷口さんはゴルフも上手いが、何より気持ち。僕もついていかなくちゃと思った」と、最終日は藤田も疲れた体にむち打った。

ボギーなしの66をマークして5位タイにつけた。
「ゴルフをやっていて良かった。他のスポーツならきっと、こうはいかないと思うので。フレッシュさはないけど“味”はある」と、疲労のにじむ笑顔には、同時に充実感もくっきりと浮かんだ。

「谷口さんには追いつかなかったけれど、初日の出遅れを思えばOKかな」。
いまもっとも強い2人の40代が、今週も若い選手を蹴散らした。

谷口徹も、全英オープンの出場権が得られる今大会上位4人に該当する2位タイと健闘したが、昨季の賞金ランキング上位2人の資格で、すでに切符を持っていた。

実は、同じく藤田も今大会を前に、すでに権利を得ていたも同然だった。開幕戦からスタートした日本予選。これまでの7試合で2勝をあげて、1位を独走している藤田を、ランキングで抜ける選手は誰もいなかったのだ。

しかし、それよりも優先されるのが、今大会の上位4人という出場資格だった。
すでに有資格の谷口を省いて権利のある5位タイには、ほかに9人もの選手が並んだが、その中でも世界ランキングで最上位につける藤田が、規定によりこちらの資格で出場権を得ることになった。

恐るべし、アラフォーの星。
全英オープンは、3年連続4度目となる。
賞金王よりも、国内で勝ち星を重ねることよりも、藤田のモチベーションを上げる何よりの材料が、メジャー舞台での活躍だ。
「このミズノオープンは、会場もリンクスコースに似ているし、まさに全英への道ですね。それにつながるルートを今年もつかんだので。意識している世界ランクも順位ひとつで全然違ってきますので」。
満身創痍と思われた43歳の肉体から、再びメラメラと闘志がたちのぼっていた。

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