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ダンロップフェニックストーナメント 2012

藤田寛之は念願のルークとのラウンドに

驚きを通り越して笑ってしまう。のっけから、世界ランク3位の底力を見せつけられた。3番だ。ルーク・ドナルドが10メートルの長いバーディトライを沈めた瞬間、思わずニヤリと笑ったのが藤田だ。

「なんか彼は、パッティングが全部入りそうで。だから入っても“えっ”とは思わない」。
むしろ、「思わず笑っちゃいますよ」と、もうひとり、同じ最終組で回る薗田と、顔を見合わせてにやにやと、笑う場面は他のホールでも。

この日はそんなルークにとっても難条件に、相手もイーブンパーと伸び悩んだが、それでも藤田は差を縮めることが出来なかった。

「ミスショットはほとんどないし、精度が全然違う。これまで養ってきたものを、試合で全部出せる。センスですね。今日に関しては、自分とは比べものにもならない」と、現在賞金ランク1位の男も完敗ムード。
飛距離は確かに、自分とさほど変わらない。
しかしそれだからこそ「凄いと思う。このパワーの時代に世界ランク3位だなんて、信じられない」と、その圧倒的なショットの正確性には、ただただ脱帽するしかなかった。

同時に「自分の目指すべきはこっちかな」と、ルークのゴルフを参考に、励みになることもたくさんあった。

そんな藤田をルークは「43歳でしょう?」。藤田の年齢もちゃんと心得ていて「藤田さんはさすがベテランというプレー。ゴルフがなんたるかを知っている。そして自分の強みも分かっている」と、しっかりとその視界に捕らえていたのは嬉しい。

最終日は組が離れたが、ルークとは5打差。
「トップを狙うのは別として、僕も良い位置。ひとつでも上に行くように」。
少しでも、世界ランク3位の男を脅かして終わりたい。

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