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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2012

ホストプロの小田龍一も「毎年、上には行きたい試合」

この日も1番で、シャンクを打った。ボギーの幕開けに毎日、18ホールをついて歩く奥さんの優子さんが苦笑した。

「今週は、もう何度目かです。私はあえて触れないですが」。

ショットは絶不調である。「イメージが湧かない。どうやって打てばいいのか」。
間違って、フェアウェイに行こうものなら、かえって戸惑う。
「寄せなくては、というプレッシャーで逆に寄らない」。

むしろ、ラフからのほうが、「振り抜けが良いので打ちやすい。曲がったほうがちょうど良い」と、確かにこの日は、6番で「右」。7番は「左」。10番も左のラフから、フライヤーの計算も抜群に、「いつもより、高い球でグリーンを狙った。そうしないと止まらないので」。その3ホールはいずれもべたピン。

また、不調のショットを補って余りあるパット。8番では7メートルが、「ジャストタッチで入ってくれた」と、さらに16番では6メートルを沈めると、最後の18番も8メートルのバーディ締めに、やにわに優勝争いに加わった。

このホスト試合は、予選ラウンドで“先生”と一緒。9つも年下ながら、尊敬する池田勇太はしかし、初日も2日目も、「ほとんど口がきけない」。
池田は体調不良も重なって、初日は78。2日目はその出遅れを取り戻そうと、小田の目から見ても「相当な集中力」。やっとこの日3日目の朝に、声がかかったと思ったら「お前、昨日はひどかったな」。

スタート前に、これまでにも何度か言われてきたショットの課題を言い含められてコースに出た。
この夏に、もともと悪かった左手首が致命傷になった。地元鹿児島にこもって治療に専念。
「芋焼酎で、患部を緩めていた」とは半分、冗談だが約1ヶ月の戦線離脱も「スイングが悪いから痛める」。
それにもつながる池田の助言はここで明言したくはないが、おおざっぱにぼかして言えば、「ターフを取らずにさらっと打つイメージ」。
この日も1日、常に意識して回った。「まだ全然、先生の言うとおりには出来てはいないけど、今日のようなゴルフが出来れば自信につながる」。
池田と同様に、今大会主催のブリヂストンの契約プロ。
「お世話になっているので、毎年上には行きたい試合」。
昨年は10位タイ。09年には7位タイ。07年には初日に8位と「まあまあ、そこそこ良いところには行くのですが」。
もちろん、これで満足しているわけにはいかない。今年こそ、恩返しの1勝で報いる。

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