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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2011

今日の“勇太”

この日の見せ場は517ヤードの最難関、15番パー4だった。フェアウェイからスプーンで打った、残り260ヤード弱の第2打は、「狭い花道を縫うように駆け上がり、どうにか乗ってくれたらいい」と、思い描いたとおりに転がって、グリーンの端にしがみつく。

13メートルのバーディトライはのぼりフックを読み切った。
「しかも、カップに届くように、よく打てた」。
この難所で今日はただひとりのバーディに、本人も納得のガッツポーズを握ったあとだっただけに、ますます最後のボギーは悔やまれる。

「ここで打ってちゃ、なんにもならん」。
18番の第3打はラフとカラーの境目からのアプローチ。
「イメージが出なかった」と、思うように寄せきれなかった。グリーンの段を上りきったところで、止まってしまった。
「もったいないことをした」との反省と後悔は、しかし翌日まで持ち越さない。

通算2アンダーは、首位と4打差に「まだトップに届く位置。逆転出来る位置にいるということを考えて、明日は切り替えてやりたい」と、諦めない。
スポンサー契約を結ぶ日清食品が、特別協賛の今大会は初めから恩返しの大会2勝目しか頭にない。

「明日はトップを取るか、取らないか。悠長なことを考えている暇はない」と、気合が入ったままホールアウト後は練習前に、大勢のファンが待ちわびるギャラリープラザに駆けつけた。
募金箱を持って義援活動。多くの善意に、普段はあまり見せない笑顔で応じた。

今大会では出場全選手の1バーディにつき、100食のカップヌードルを送る「バーディ for ニッポン」という取り組みを通じて、プレーでも被災地支援に取り組んでいる。
「大会を通じて、ニッポンをもっともっと元気にしましょう!」と、改めて呼びかけた池田。プレーでも、“19番ホール”でも、ホストプロとしての責任をきっちり果たした若大将であった。