Tournament article

サン・クロレラ クラシック 2011

池田勇太が単独首位に

前日2日目に伸び悩んだ。うっぷんを一掃した。前半は2番と4番でバーディを奪ったきり、しばらくなりを潜めていたが、7番でスコアボードを見上げて、目を剥いた。

母校は東北福祉大のアマチュア2人が快進撃。4年生の藤本佳則さんも、2年生の松山英樹さんも、ツアーに出場する際には必ず一緒に練習ラウンドを回り、世話を焼いてやる可愛い後輩たちが、揃ってスコアを伸ばしていた。

思わずつぶやく。「何やってんだ、こいつら」。
「あれで勇太のエンジンがかかった」とは、阿部靖彦・ゴルフ部監督。

折り返して10番からさっそくアクセルをふかした。残り276ヤードは、スプーンで手前のエッジまで運んで楽々バーディを奪うと11番で、右8メートルをねじ込んだ。

「これが大きかった」と、ますます勢い付いて、12番は右3メートルのスライスライン。13番は、右奧から15メートルの下りフックが見事に決まった。
14番では3メートルを沈めて、たちまちトップに躍り出た。

「流れが悪いときは、考えなくても良いことを考える。ナイーブになるんだな。だけど良い時は自ずとそのとき目に入った状況を瞬時に判断して、それを表すことが出来る」。常々池田が高く評価されている才能のひとつである、状況判断の素早さだ。

ひとたび波に乗ると、もう手がつけられない。若大将がゾーンに入った。
自ずと今季初優勝の期待が高まるが、「俺はとにかく納得のゴルフが出来ればそれでいいから」。
それ以上は神の域。「明日良いゴルフが出来れば勝てると思うが、俺を上回る選手がいたら、その人が勝つというだけのこと。明日は誰が勝つのか。知っているのは神様だけだよ」。
無我の境地で、大好きな小樽を歩く。

関連記事