Tournament article

日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 2011

山下和宏は単独4位に

3番でボギーが先行。「でもチャンスは必ず来る」と、耐えに耐えた前半の9ホール。そのご褒美は、さっそく折り返しの10番で来た。
495ヤードのパー4は、「ロングホールみたいな難しいところでバーディが獲れた」とイーブンパーに戻した。

15番では最大のピンチを迎えた。
左の林は崖の下。目の前のOBに怯えつつ、それでも隣の17番のティーインググラウンドに向かってピッチングウェッジを振り抜いた。

「フェアウェイの幅よりももっと狭い。10ヤードくらいしかない17番のティグラウンドに乗ってくれて」と、そこから30ヤードの林越えは、4メートルに乗せてこれを拾った。

そして最難関の17番パー4では、「“事故”みたいなバーディパットが入ってくれた」。
奧から4メートルは、「入れようと思っても、二度と入ることはないというくらいのが入ってくれた」とこの日1アンダーは通算2アンダーにして、首位と3打差の単独4位で決勝ラウンドに進む。

このツアープレーヤーNO.1決定戦の大舞台でにらむ、ツアー初V。
お手本は、3週前だ。日本プロはやはり5年シードのメジャー戦で39歳にして、ツアー初優勝を飾った河井博大(かわいひろお)だ。

シード入りとシード落ちを繰り返し、長く苦節を経験した。QTやチャレンジトーナメントを経験してきた選手たちは特に、河井の重ねてきた努力と苦しみを間近で見てきただけに、山下の胸にも迫るものがあった。

「僕らの模範とするべきプレーで勝った。しかも僕より上の年齢で。あの難しいコース(小野東洋GC)で。僕もああいうことが出来たらな、と思う」。

山下にも大きな希望を与えてくれた河井の優勝劇。
「僕にも、ミラクルがあってもおかしくない。そこに近づく努力をしていこう、と」。
もっとも、シード3年目を迎えた山下の実力をもってすれば、ここ宍戸での初優勝も、奇跡とは言えないが。

関連記事