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三井住友VISA太平洋マスターズ 2011

藤田寛之が「怖いと思いますよ」

3打差の3位タイにつけた藤田が、いつになく前向きだ。この日3日目の第2ラウンドは、ボギーなしの66をマークして、「特別良い状態ではないけれど、悲観的になるゴルフでもない。良いバランスで、回れた」と、納得顔で上がってきたのは、やっぱり師匠の存在か。

今季レギュラーツアーは5試合目にして、初の予選突破を果たした芹澤信雄と練習ラウンドを回って、ダメ出しされた。
「なんで、お前はもともと良いものを持っているのに、余計なことをやろうとするのか」。

取り組んでいた課題も、結局は本来の自分らしさを思い出すことで、安定感を取り戻した。
「今日はチャンスもそれなりにあったけど、ピンチなし。一番、自分らしいゴルフが出来た」と、いつもは後ろ向きな言葉しか出てこない42歳も、住まいのある静岡は、地元開催のトーナメントで明るい兆しも見えてきた。

「明日は、怖い存在になると思いますよ」と、自分自身のことを言っている。V争いに、堂々と加わる気満々であることを一応は、漂わせておきながらもたちまち脱力して、「このくらいでいいですか?」と、報道陣の反応を伺った。前向きなコメントは、言い慣れない。「これくらいが限界です」と、苦笑した。
今日のゴルフが明日も続くとは限らない。分かっていながら、あえてダメ押し。「今日出来て、明日出来ないことはない。明日も今日のようなゴルフを目指してやる」と、精一杯の気合を込めた。

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