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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2011

裵相文(ベサンムン)は、プレーオフ6ホールに敗れる

谷口徹が凄まじいまでの対抗心を、自分に燃やしていると知ったのは今大会2日目。「僕にですか?何でですか!?」。
「遼くんや勇太も上手いが安定感が違う」と谷口が、言っていたと聞いて、驚きを隠せなかった。
「谷口さんのほうが、僕よりずっと上手いのに!」。
謙遜しつつ、喜びも隠せない。「そう言ってもらえて嬉しい」と、過去2度の賞金王に輝いたベテランにも一目置かれて照れていた韓流スターは上機嫌で今週も、その圧倒的強さを見せつけるはずだった。

最終日は前半6つのバーディであっという間に追いつくと、後半は16番でピン2メートルを沈めて4連続バーディで、一度は3打差の単独首位にのしあがった。いち早く通算15アンダーで上がって、今季4勝目まで、あとは後続を待つだけという状況だった。

しかし、現在、賞金ランク1位を走る選手は、シード1年目の30歳に初優勝を譲った。最終組の河野が本戦の最終18番でイーグルを沈めて並ばれたときは、裵相文(ベサンムン)がホールアウトしてからすでに1時間以上が経過していた。

「いったん流れが途切れた彼と、すぐにプレーオフの僕とならちょっとは張り合える」と河野が予想したとおりに、確かに河野の結果を待つ間は激しい雨と、プレーオフホールの18番から少し距離のある練習場に行くのをためらった。

裵(ベ)は「それは関係ない、パターが大事だから」と言ったが、プレーオフ6ホールの死闘はチャンスホールのパー5を舞台に、第2打以降が必ずしもピンに絡まず、河野に決定的なプレッシャーを与えることが出来なかったのもまた事実だ。

2ホール目は奥から4メートルや、3ホール目は手前から10メートルのイーグルトライ。また、4ホール目には刻んだ河野に対してフェアウェイど真ん中から奥のバンカーに入れたばかりか寄せきれないなど、再三のチャンスもものに出来ずに、河野の粘り勝ちを許した。
「河野さんは、パットが上手かった」と最後は互いに3打目勝負のアプローチで奥のカラーにこぼして、このバーディトライも決めきれなかったとあっては、素直に相手をたたえるしかない。

「サドンデスで負けたけど、昨日は13位から2位なのでナイスプレー」と、せめて賞金1500万円を上乗せて、目下ライバルと言ってはばからない賞金ランク2位の石川遼にまた少し、差をつけられたことを励みに、自身は残り2戦で目標の賞金王を狙っていく姿勢に揺らぎはない。

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