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日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

互いに尊敬しあう仲、片山晋呉と藤田寛之が揃ってV争い

ホールアウトするなりグリーンの袖で、同組の藤田寛之と片山晋呉が何やら内緒話を始めた。「藤田さんに、ちょっと聞きたいことがあったから」とは片山。
「晋呉ちゃんからは、パターのルーティンについて聞かれました」と、藤田。4つ年が離れているが、互いにリスペクトしあう仲だ。

藤田が、師匠の芹澤信雄をのぞいて唯一、アドバイスを聞き入れる人物が片山だ。
「晋呉はいつも、いろんな方向からゴルフを捉えていて。理屈が氾濫している今のゴルフ界で、理屈以外のものを知っている数少ない一人。今日もじっくり見させてもらったし、尊敬しています」と、藤田が褒めちぎれば片山も、「いいえ、とんでもない。藤田さんは大先輩。今日も凄く良い勉強になりました」。

そんな2人なだけに、この予選2日間は充実のラウンドとなったようだ。

しかも揃って優勝争い。
片山は3度目のプロ日本一の座を狙い、藤田は今季公約にしているメジャー初制覇に気合いが入る。

通算3アンダーは、6位タイにつけた藤田は決勝ラウンドを前に、「非常に良いポジションにつけられた」と虎視眈々。
「ただ、本番はこれから。今日も途中で崩れてしまったのは、自信がない証拠だし、今週だけでもいいから、晋呉みたいに最後まで安定感、というゴルフをやってみたい」と、抱負を語った。

そして、通算4アンダーは3位タイの片山も2日連続の晴天に、「洗濯物も30分で乾くというカラカラのコンディションで、グリーンが大変なことになっている。その中で凡ミスだけはしないように」と、自分に言い聞かす。

土曜日はいったん組が離れる2人の好敵手が、再び最終日は最終組で激突とあいなるか。

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