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日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

今日の“勇太”

昨年覇者、池田勇太と入場した小瀬良くんは「表情やしぐさだけで、勇太選手の気持ちが分かった」と・・・
ホストプレーヤーの連覇はかなわなかった。その代わり、子供たちに大きな夢を残した。最終日はスタートの1番ホールで行われた「キッズファミリー」は、地元・長崎県下のジュニア30人と、出場選手が手をつないで入場するセレモニー。

ディフェンディングチャンピオンと登場したのは、長崎市内立桜町小学校の小瀬良竜大くん、4年生だ。

昨年、福岡県内で行われた男子ツアーの観戦に訪れた際には「遼くんを中心に観たので」。池田の存在は知っていたものの、残念ながらその雄姿を確認することは出来なかった。

それだけに、いざ「生・勇太選手」を前に、緊張してすっかり萎縮してしまった。
“若大将”は、そんな小瀬良くんの様子を察した様子だったが、しかし社交辞令やおべんちゃらはいっさいなかった。

言葉の代わりに、「態度で気持ちを示してくれた」と、小瀬良くんは感じた。
入場の前に、池田のほうからそっと差し出された右手。
力強く握られて、「凄く安心しました」と、小瀬良くんは振り返る。

ティグラウンドまでのたった数十歩。記念撮影の間も小瀬良くんの顔をのぞき込んだり、肩にそっと手をかけたり、特別な言葉はなくとも池田の心根の優しさが、小瀬良くんにも十分に伝わってきた。
「勇太プロの表情を見ただけで、気持ちが分かった気がしました」という。

そして、渾身のティショットはティグラウンドの袖で、他のキッズと並んで見た。
その迫力に、思わず口もあんぐり。
「ボールも凄く飛んでいて・・・・・・。僕もあんなプロになりたいです!!」。
夢が大きく膨らんだ瞬間だった。



※この日「キッズファミリー」に参加してくれた地元ジュニアの30人は、このあとテレビ中継局の基地や選手のスコアをまとめる速報本部、報道陣の仕事場のプレスルームなど、トーナメントの舞台裏を見学。昼食を挟み、PGAプロによるレッスン会に興じるなど、まさにゴルフを味わい尽くした1日でした。

写真=プレスルームで記者歴20年を超える大ベテラン、櫛谷和夫さん(=中央、東京中日スポーツ)にレクチャーを受ける子供たち。パソコンに残された、これまで書きためられた膨大な原稿量にどよめいて・・・。

  • 大会オリジナルの記念の帽子に池田のサインをもらって、ついほくそ笑み・・・
  • 最終18番では今年のチャンピオンのサインもしっかりゲット・・・!