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〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2010

6位タイの甲斐慎太郎は「セントアンドリュースに行きたい」

リーダーボードに名前が載ったのは、ほぼ半年ぶりだ。「お久しぶりです」と律儀に下げた顔が、にやけていた。2番で257ヤードの第2打を4メートルにつけて奪ったイーグルを含む4アンダーは、最終9番で欲張った。
「バーディで上がりたい」との思いとは裏腹に、ティショットがバンカーのあご。ひとまず出すしかなく、3打目もバンカーに入れてチャンスホールが一転、「ボギーになりそうな雰囲気に」。
だがそのアプローチがカップをなめて、難なくOKパーに「今日はピンチらしいピンチはそれくらいで。ノーボギーというのが、何より嬉しい」と、ますます笑顔が深くなった。

2008年に念願のツアー初優勝。だが近ごろは、「少し、気持がだれて、危機感がなかったかもしれない」。
さらに昨年、日本予選を突破して挑戦した全米オープンも、逆にモチベーションを下げる要因に。
ニューヨークのベスページブラックは、屈指の難コースに打ちのめされた。
「こんなところで、俺はやれない」。
すっかり戦意喪失に、世界への夢もしぼんでしまった。
目標が持てないまま1年は過ぎた。

再び闘志が戻ったのは、第3のメジャーだ。
今週、出場権がかかる全英オープンは、甲斐が2年前に初めて挑戦した舞台でもある。
日本予選ランク上位2人の資格で臨んだロイヤル・バークデールは残念ながら2日でコースを去ったが、空いた週末を利用して、父・稔さんと、足を伸ばしたのが今年の開催コースとなるセントアンドリュースだった。

聖地に立ったときの感慨は、今もはっきりと覚えている。「いつか、ここで開かれる大会に出てみたい」。その思いを実現するチャンスが今年だ。

「今週はいろんな気持があって・・・。久しぶりにやる気なんです」。
宮崎出身の九州男児に、闘志のスイッチが入った。

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