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ブリヂストンオープン 2010

藤田寛之は「ぶっちぎれる可能性は、十分にある」

先週の日本オープンは、悲願のタイトルをかけて単独首位でスタートしながら、2打差の2位に倒れた。さらにさかのぼれば3週前のコカ・コーラ東海クラシックでもプレーオフの末に2位。

「上を見れば悔しい気持ちはあるけど、2位ですからね。何も落ち込む必要はないわけで」。
日本一をあと一歩で逃した後遺症も、もはやない。

41歳は、すでに前を見ている。
今大会は、終了時点で賞金ランク2位以上に踏みとどまれば2週後に、中国で行われる世界ゴルフ選手権HSBCチャンピオンズの出場資格が得られる。

「メジャーとか、WGCなど高いステージで戦うことは、プロとして何よりの喜びであり、自分がそこでどこまでやれるかという楽しみもある。連戦で疲れていようが、どんなに調子が悪かろうが、チャンスがあるなら掴んでみたい」。

現状で、そのチャンスがあるのは藤田と、さらに約300万円差の賞金ランク3位で追いかける石川遼の、いずれか2人だが「遼くんを見ながらプレーするのはゴルフの本質からも外れる。今週も自分のゴルフをすれば、結果はあとからついてくる」と、相変わらずブレがない。

人が羨む結果を残しながら、それでもなお、徹底した自分へのダメ出しは、「もともと自虐的な性格であり、そうすることで、自分を大きくしてきたという部分もあるから」。

究極の上昇志向ゆえ、でもある。「自分はもっと上を見ている。もっと上に行けるはずだ、という思いでやっている」。
それだからこそ身長168センチと、スポーツ選手としては、けっして恵まれているとはいえない体格で、10代、20代の選手を相手に今も賞金レースを演じられる、とも言える。

無類の完璧主義者はいまだにスイングに満足をするということはありえないが、それでも夏頃にピークを迎えたスランプも、ひとまずドン底から這い上がった。
いつも後ろ向きなコメントが目立つために、誤解も多いが、藤田にだってまったく自信がないわけじゃない。
「今の調子なら、ぶっちぎれる可能性もあると、思っていますから」。

今週の、今季2勝目の可能性を示唆した。

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