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ブリヂストンオープン 2010

池田勇太が連覇を達成

この日10個目のバーディは、最終18番のウィニングパットを沈めて「やってやった」と破顔一笑。前日3日目に、2打差の単独首位に立った片山晋呉が塗り替えたコース新に、あっさりと並ぶ62。そして通算23アンダーは、2006年に手嶋多一が記録した大会の最多アンダー記録も更新だ。

昨日の友は今日の敵。片山とは、9月の日韓対抗戦で2日間ともペアを組み、唯一連勝をあげたチームメイトも、ぎゃふんと言わせた。序盤に躓いた過去5度の“賞金王”を早々に絡め取り、容赦なく追い詰めて突き放し、そして最後にぶっちぎった。

「今日は片山さんも、誰もが伸ばす展開の中で、攻めきらないと勝てないと思っていたから。その通り最高のゴルフが出来て光栄です」と、してやったりの笑みはいっそう深く。
切れ味鋭いアイアンは、面白いようにピンに絡んだ。チャンスパットはひとつ残らずモノにした。
ついに大混戦を抜け出した13番を契機に怒濤の4連続バーディは、15番で4メートルの下りスライスを沈めてガッツポーズも飛び出した。

そして極めつけの16番は、ボールがコロンとカップに沈んだ瞬間に、かたわらの片山も思わず降参の苦笑いを浮かべたほど。手前から8メートルは、「ラインが見えた」と強気のタッチでねじ込むと、もはや向かうところ敵なし。あと残りの3ホールはもう、数々の記録更新に挑むだけで良かった。

85年は、池田が生まれた年に達成した倉本昌弘と、95年は丸山茂樹がなしとげて以来となる大会史上3人目の連覇に胸も熱くなる。

特に95年は池田もここ袖ヶ浦でその瞬間を見届けているからなおさら感慨深い。実家から、自転車でも5分とかからないこの大舞台で迫力満点のプロのショットに胸躍らせたのは、小学校5年生のとき。表彰式のあとで、丸山にもらったサインと、一緒に写してもらった写真は、いまも大事にアルバムの中。
「俺も、いつかここで連覇というものをやってみたい」。
子供心に芽生えた夢が、いま現実のものとなり、さすがの若大将も大勢の地元ファンの前で、声も上ずる。
「しかもこの千葉で、自分としても初めての連覇を達成することが出来て本当に幸せです!」。

誰よりも恩義に厚い男がそれこそ「今年の1月いっぴから勝ちたい、と」照準を合わしたのが「自分の庭」といってもいい地元開催のこの大会。主催のブリヂストン契約プロにとっては先週の日本オープンよりも、いや、もっと言えばマスターズや全米オープンなど名だたる世界4大メジャーより「大事ですから」と、言ってはばからないのがこのブリヂストンオープンだ。

2年連続の恩返しにも飽きたらず、表彰式でぶち上げた。「2回でも3回でも、この大会は何度でも勝ちたい。それが出来るのはいま、俺しかいない」。来年は、大会史上初の3連覇を狙うと、早くも宣言してみせた。

このツアー通算7勝目は今季3勝目で賞金ランキングも石川遼に次いで4位に浮上した。大会直前は「一歩も二歩も遅れている」と自覚があった賞金レースに今年も名乗りをあげて、あと残りの5試合で「俺の強さを見せてやる」と、ニヤリと笑った。

昨年は、この大会で右手首を痛め、それをきっかけに腰も痛めて石川遼に譲った賞金王の座。しかし今年は日頃の鍛錬とケアのおかげで残すところ5試合となったこの時期も「怪我とは無縁でいられるし、最後まで魅せるゴルフが出来ると思う。もう1、2勝して今年も最終戦まで賞金レースを引っ張る」。
有言実行の男がいよいよ本気になった。

※ブリヂストンオープンで連覇を達成した池田には、来年の世界ゴルフ選手権「ブリヂストン招待」の出場権が与えられます。

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