Tournament article

ANAオープン 2010

藤田寛之は、超・ハードなスケジュールにも・・・・・・

今年は、国内外での大活躍はいいのだが、だからこその悩みを抱えている。6月の全米オープンから、まだ一度も休んでいない。

序盤から、賞金ランク1位を走り続けて日本ツアーを牽引しても、なぜかせつない。

長男・大稀(ひろき)くんの言葉が胸に突き刺さる。
「どうしてお父さんは、家で僕と遊んでくれないの?」。
妻の百合子さんは、それを承知で一緒になったがまだ小学校1年生の息子には、さすがに通用しない。

夏休みはそれがいっそう堪える。
クラスメイトはみなお父さんと、どこどこに行ったとか楽しい絵日記を書いて持ってくるからだ。

特に今年は全英オープンと全米プロの出場し、ほとんど留守にした。
また夏以降は本人も認める絶不調に、たまの休みも所属コースの葛城ゴルフ倶楽部に入り浸った。

子供たちと過ごしたいのはやまやまだったが、「もう、やることが一杯あって・・・・・・」。
だが、大稀くんの寂しそうな顔には勝てず、せめてもの埋め合わせに、と強行軍に出たのは先々週の日曜日だ。
フジサンケイクラシックの最終日は石川遼に、ついに賞金ランク1位の座を譲り渡したまさにその日、試合を終えた足で、静岡は伊豆の修善寺温泉に向かった。

一泊二日の家族旅行で埋め合わせ。
さらに翌火曜日は、来季に予定された新規トーナメントの会見に臨み、さらに水曜日は韓国へ。
「現代キャピタル招待 韓日プロゴルフ対抗戦」では日本代表の最年長メンバーとして、チームの勝利に貢献した。

近ごろの不調を関係者からは、「疲れのせいですよ」と、心配されるが生真面目な男は頑固に首を振る。
「みなさん、お世辞で言ってくださっているだけ。プロであるからには、疲れのせいには出来ない」と、自らにムチ打って、初日も執念の2アンダーは8位タイ。

「今日のショットなら、2オーバーくらいはしているイメージ。パットでどうにか持ってますけど、それが僕の持ち味と言い聞かせて明日も頑張ります」と気合いを入れ直していた。

関連記事